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稲荷神社での不思議な体験

 これまでいくつか神社の参拝記録を書いてきたが、今回は私が過去に神社で経験した不思議な話を書いていく。
 ちなみにその神社は稲荷神社である。ここで具体的な名前を出すのは避けるが、実は私が一番好きな神社こそ他でもない稲荷神社なのだ。

 なぜこんなにも好きなのかは自分でもよく分からない。
 ただ幼い頃からキツネが好きだった私は、稲荷神の眷属(使者)である狐に心惹かれていた。勿論、眷属の狐が動物のキツネとは別の存在であることは分かっていたが、とにかく存在そのものが好きで堪らなかった。
 そのため私は総本宮である伏見稲荷大社へ参拝した折には常にハイテンションだったし、初めての御朱印帳をそこで頂いてきた程だった。
 ひとまず前置きはこのくらいとして、そろそろ本題に入る。

【いつもの神社参拝といつもと違う行動】

 それは私が大学生の頃のことだった。
 その頃には神社巡りが習慣化していた私は、いろいろ調べる中で家から数駅先の割と近い場所に稲荷神社があることを知り、そこへ参拝に行くことを決めた。駅から結構歩かなければならない距離だったが苦ではなく、昼下がりの時間帯にはその神社へと到着した。

 比較的大きい神社だったが、その時はたまたま人気が全くなかった。私一人というのが嬉しかったのと、大好きな稲荷神社ということでとにかく気持ちが高揚していた私は、意気揚々と境内に足を踏み入れる。
 手水舎の諸々を終えて拝殿の前に立つと、急にこの無人の状態での写真が撮りたくなった。いつもは参拝の際にきちんと写真を撮らせて頂く旨を伝えてから撮るようにしていたものの、この時の私は妙に気が逸っていた。
 「この後で撮らせて頂いた旨を報告すれば大丈夫だろう」という甘い考えから、私はさっとケータイ(当時はガラケー)を構えた。
 そして異変が起こった。

【謎の現象発生】

 カメラを起動しているのになぜか画面が暗いのだ。
 不思議に思ってカメラ部分を確認しても、指や何かで遮っている訳ではない。何度か再起動しても変わらない。カメラの前で手を振っても何も画面に写らない。意味が分からず、まさか壊れた?と首を傾げるしかなかった。

 よくよく画面を観察してみると、画面は全体が真っ暗という訳ではなかった。画面の端の方は少し明るくなっていて、カメラ部分に何かを押し付けられているせいで暗くなっているような雰囲気だった。
 明るい箇所は割とピントが合っていたので、何となく質感が分かる。
 何と言うか、そう。例えるならそれは、少し毛足の長い白い毛皮のようなもののような……?

【そしてようやく思い当たる】

 当時私は白い毛皮質のものなんて持っていなかったし、そもそも白い服や小物を身に付けている訳でもなかった。不思議に思いながら何度確認しても、やはりカメラを遮るものなど存在していない。
 そして私は今更ながらに気付くのだった。
 稲荷神の使者の狐は、白狐(びゃっこ)と呼ばれる存在でその名の通り白い狐の姿をしていることを……。

 まるで参拝する前に写真を撮るんじゃない!と嗜めるような妨害?に、鈍感な私もこれはいけないと悟り慌てて参拝して謝罪をする。
 そして写真を撮らせて頂きたい旨をきちんと伝えてから、意を決して今一度カメラを起動すると普通に景色を撮れるようになっていたのだった。

 当時の私は白狐と思われる存在からの接触を呑気に喜んでいたが、まあ普通に考えて失礼を働きそうになったためにお叱りを受けた訳である。
 悠長に構えている場合ではない。当時の私のアホ……!!!
 それからは必ず参拝時に撮る旨を伝えてから、境内の写真を撮らせて頂くようになった私であった。これが人生で一番の不思議体験である。

【その他細やかな不思議な体験】

 せっかくなので、小さめながら他の体験を書くと。
 お寺のおみくじで凶を引いて落ち込んだまま近くの神社に参拝し、そこでもおみくじを引くと元気出してと言わんばかりに必ず大吉を引いたり(逆に寺院での凶率が高すぎて嫌われてるのではとすら思う……)。

 伏見稲荷大社を参拝する機会を得て、どうしても一ノ峰まで参拝したくて参道を必死に登っていた時、靴が良くなくて行きも帰りも何度も転び掛けたのに奇跡的に持ち直せて怪我なく済んだりと、助けられてると感じるようなエピソードが結構あったりする(伏見稲荷大社の話もいずれ書きたい)。
 それで稲荷神社が一層好きになった私であった。

 とは言え、稲荷神社には注意した方が良い点もあるため、それもまたいずれ書きたいと思う。


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