寝ていられない

スマホでタダで読める漫画を読み漁っていたら、夜が明けていた。

自分でもしょうもない時間の使い方だなと思う。
寝不足の超過勤務を終えて帰宅してぐったりなのに、お風呂にも入らずブルーライトに目を晒し続け、切り上げられなくて目が冴えてくる。
これがせめて長編小説か何かであったなら、夜を徹するだけの意義があったといえるかもしれないのに(漫画がそれに劣るという主張ではなくて)、あれはただ、漫然と脳に心地よい刺激を送り込み続けたいだけだった。

数日前もそうだった。連休に入る前の日の夜、スマホを巻き添えにして延々と非生産的に時間を潰していた。早く寝てしまいたい気持ちはあるのに、寝るための支度をすることが面倒臭すぎて現実逃避をするのだ。

調子が悪いってことだろう。
しかし、適切な休息が必要なのにそれを回避してしまう。我ながら、一体どういうメカニズムなのかと疑いたくなる。
休みたいならば休めばいい。そうしないのは、休むと不都合なことがあるのだ。

終わっていないタスクがいろいろと溜まっているからかもしれない。
通信のテキストを読み進めるとか、レポートを書くとかもそうだし、仕事で手つかずになっている課題をそろそろ整理しなくちゃ前に進めないのに、やらずに目を背けている。つまり、顕在化しているタスクが複数あることに加えて、まだ明確なタスクにすらなっていない潜在的なタスクの存在がちらついて、直面したくなくてどぎまぎしているのだ。
そんなときに呑気に休んでいたら、いよいよタスクが終わらない未来が押し寄せてきてしまう。それは怖い。だから、何もしないではいられなくて、手を動かして忙しそうにしていたくなる(でもタスクには着手しない)。

あるいは、翌朝起きられない不安から、眠りたくないのかもしれない。
規則正しく朝起きるのが苦手だ。
単発の早起きはできる。緊張感がわたしを起こしてくれる。でも、毎日となると別だ。気を引き締め続けていることが苦痛だし、それができる自信もない。だから休みの日はいつも昼まで眠りこけているし、仕事の日だってギリギリまで粘っている。休日を前にして、明日も午前中を寝て無駄にしてしまうんだなと思うと残念な気持ちが湧いてきて、もうちょっと起きて何かしていようと夜更かししてしまう。すぐに寝て、すぐに明日(の昼)が来てしまうのが惜しい。

はたまた、興奮しているのかもしれない。
日付が変わる前にと必死になってnoteを更新した後の、充実感。今日もやりきったぞと嬉しくなって、読み返して、誰かが♡を押してくれるかもしれないとドキドキして、静かに眠ってなんていられない。この喜びをしっかりと身体に刻み込んで、そうして明日もちゃんと更新するのだ。明後日も、明々後日も。わたしはやるぞ、やればできるんだぞ。そうやって自分を鼓舞して、追い込んで、ハラハラしている。

もしかしたら、今日の成果あるいは失敗を忘れたくないのかもしれない。今日仕事でうまくやれたこと、あるいはやれなかったことを、そのまま過ぎ去らせてしまってはいけない気がして、胸に留めて思考を深める必要性を感じていて、すごすご眠りについたら全部忘れてしまう気がして。だけど、体も頭も疲れている。考えなくちゃと思いつつも、脳みそは働いてくれなくて、無為にスマホ画面をスクロールするだけで精一杯。

違うかもしれない。もっと別の理由があるのかもしれない。
わからない。
ひとつ確かなのは、早く寝たほうがよいということだ。今はとにかく早く寝て、万全の体調でもう一度物事をよく考えよう。おやすみなさい。


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