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糠漬けボヤージュ
少し前に稲垣えみ子さんの本を読んで、以来せっせと糠漬けをやっている。
1年ぐらい前に後輩に触発されて無印良品の糠床を買った。だけど習慣にするって難しいもので、1か月放置なんてザラだった。だって、忘れちゃうんだもん。ちょうどいい漬ける食材を定期的に調達してくる、というタスクがいまいちわたしの生活に馴染まなかった。
それが今や。
だから、稲垣えみ子さんがわが家の瀕死の糠床を救ったと言っても過言ではない。
何が起きたのか。
そう、糠漬けのポテンシャルの大きさに開眼したのである。
糠漬けニンジンのラペとは、糠漬けにしたニンジンを千切りにしてオリーブオイルをかけたもの。
えっ?糠漬けって、そのまま食べる以外もありなんだ!
これが最大の衝撃だった。
糠漬けを食べると、ばあちゃんの自家製糠漬けを思い出す。壺みたいなでかいタッパーに手を突っ込んで、糠床をガシガシかき回す。きゅうりだとかナスだとかが出てきて、それを切ってつまむととてもおいしいのだ。
わたしにとって糠漬けとは、ばあちゃん家のそれ。気軽には食べにいけない距離だから、無印良品の糠床を知って自分でも作りたいと思ったのだった。
糠漬けは糠漬けのままでおいしい。それは当たり前。
だけど他の調味料とかけ合わせることでもっと楽しみ方が広がるとしたら?
正直、わざわざ漬物にしたものを調理するなんて手間なのではと最初は思った。が、ここは発想の転換である。
糠漬けは食料の保存方法の一つ。
無性にカレーを食べたくなって3本入りのニンジンを買って帰った日。2本はカレーに使って、残りの1本を野菜室に眠らせる代わりに、糠床にしまっておく。
そうするとうっかり腐らせないし、数日後にラペの材料になる。それも、オリーブオイルをかけるだけでいいのだ。
今日はKALDIで買ったいぶりがっこタルタルにディップして食べてみた。若干味が喧嘩していないでもないが、あり。
今度はごま油を試してみようかな。ツナ缶と和えるのもいいかも。
糠漬けの材料を調達することを考える必要はなくて、余った食材をどんどん保存していけばいい。
たいして自炊をしないのに糠漬けだけやろうとすると面倒だけど、自炊が生活のベースにあれば、糠床は強い味方になってくれるのだ。
ちなみに、わたしは生のニンジンが苦手だった。アメリカの中学校に通っていた頃に、お弁当(ランチボックス)の定番がサンドイッチ(ピーナッツバター&ジェリー)・生のニンジン・小ぶりのリンゴ丸ごと・ジュースだった。
あのジャンキーなアメリカンたちが、ウインナーみたいな形状にカットされた生のニンジンをボリボリ咀嚼するときだけ粗食家みたいになるのが信じられなかった。
ただでさえニンジンって子ども界ではわりと嫌われどころなのに(日本だけなのか?)、なぜ生でいけちゃうのか。
そんなわたしだけど、糠漬けニンジンは最高だった。生ニンジンをこんなにモリモリ食べられる日が来ようとは!
糠漬けライフ、満喫中。