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#46 問われるわたし|思考の練習帖
何を学びたい?
そう聞かれて即答できなかったから。
わたし、また空っぽになっていると気づいた。
昔々、新卒で入った会社でテレアポを続けるのがしんどすぎて転職活動をした。
一社だけ応募して、最終面接に臨んだあの日。ありのままのわたしで勝負だ、なんて丸腰で行って、すっからかんな自分を突きつけられて揺らいだあの日。
わたしは何ひとつ自分の気持ちを言語化できなくて、何ひとつ説明できなかった。だから、すっからかんなわたしを晒しただけだった。実際どれほど中身が詰まっていたとしても、それを示せなければないも同然なのだ。わたしは能天気にわたしを信じていたけれど、他人が同じ評価をするとは限らない。わたしはそれに気づいていなかった。
残業中の雑談から、不意に聞かれたこと。
今の仕事をもっと頑張りたいし、足りないところをもっと伸ばしていきたいし、視野をもっと広げたい。もっと、もっとと前のめりになる気持ちはたっぷりあるのに、じゃあ何をと聞かれたら口ごもってしまう。なぜ?
もやもやしながら駅のホームで電車を待つ。滑り込んでくる電車が立てる大きな音を聞いて、ふとマスクのなかに言葉が漏れる。
今はただ、目の前にあるやるべきことをこなしているんだ。淡々と、確実に。そうして自分の歩みを振り返って「遠くまできたんだな」と実感したい。今はそれだけ。
だから、あなたは何をしたいのって急に聞かれて戸惑ってしまったというわけ。
「やりたいこと、やりたくないこと」で仕事を選んでいないから、今のわたしにはぜんぶ「やるべきこと」。
だから、あるのは「やるかやらないか」じゃない。「できるかできないか」。
できないと苦しくて、できるのが当たり前。
必死で食らいついて生きている。
だけど本当は、どうしたいんだろう?
年度初めに立てた目標は、これだった。
◎毎月の「タスクの割り振り」を継続して、計画を確実に推進する
◎業務マニュアルの土台を完成させて、毎月見直しをする
◎(後輩に)敬語NG
今でも大事な目標だけど、これらはどれも、「できるかできないか」の戦いに必死で食らいついていくための指針だ。食らいついて生きていく先のビジョンは何も描いていない。
わたし、どうなりたいの?
たぶん、わたしが空っぽなのは、わたしの望みが誰かの期待に応えることだからだ。何を期待されているのかわからないから、何と答えていいかわからない。
誰かの顔色を伺っているわたしは、だからやっぱり空っぽだ。
来月からリーダーやってねって言われて二つ返事で「ハイハイ、やりますよ」って言える自分になること。
このゴールが指し示しているのも、他者に承認されて安心したい小さなわたしだ。
リーダーになってどうしたいの?
なりたいものは本当にリーダーなの?
わたしはちゃんと、自分に問い直さなくちゃいけないな。自分に説明しなくちゃいけないな。
今日はここまで。