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初めてギターを買った話

母が突然ギターを買ってきた。
どうやら友達にギター教室に誘われてその流れでやる気になったのかその流れで買ってきたらしい。

すぐに練習に取り掛かれるようにギタースタンドに立てかけておいてある。
ギターのフォルムは素晴らしいと思う。あの綺麗にRが掛かった曲線にちょっとレトロ感を感じる木目の素材。
インテリアとしても中々映えている。

そんなもんだから触ってみたくなる。
慣れない手つきでギターの弦を押さえて懐かしい気分になる。

僕自身、昔ギターをやっていた時期がある。
高校生時代にギター部に所属していた。といったものの全然弾けないという。
バンドに憧れていたのでかっこよく好きな曲を弾けるようになりたいという単純な気持ちで入部した。


入部してからは練習に励み、基本的なコードを押さえられるくらいにはなり、文化祭ではスピッツの曲を弾き語りしたりもした。

それからというものの1つ上の先輩とうまくいかなかったり、一緒に練習していた友人もすっかり熱が冷め、実質的な帰宅部状態になりギターから離れてしまった。

それからというものの実際にライブ行ったりして生演奏を見るとまたやってみたい気持ちになったが行動までは移せなかった。
そこから時が流れて何の因果なのか我が家にギターがある。

とりあえず適当にネットでコード譜を検索して適当に曲を弾いてみる…がやはり思い通りに弾けない。
ちょっと悔しい気持ちになり熱が入ったのかちょっとずつ練習を続ける日々に入る。
自分はかなり重度の飽き性でもあるのでいつまで続くかなと自分に言い聞かせてながらやっていたが、不思議とひと月ほど続いていた。

やはり音楽を弾き語ることに憧れがあったのだ。
しかし腑に落ちなかった。自分のギターではないからなのだ。

よし!買おう!
とりあえず貯金から切り崩した5万円を握りしめてギターを探す旅にでる。

初めは予算内に収めようと思い、中古を中心に探した。中古品でもお店によっては結構な品揃えなところもあった。
しかし素人の自分からしてはどれが良いのかわからないし、値段の相場もわからなかった。
数件回って見たがしっくりくるものはないし、お高い買い物だから失敗したくないという思いもあり、評判の良さそうな楽器屋を見ることにした。

やはり慣れないお店となると敷居が高く感じ、勇気をもって入ったのを覚えてる。
内装はお洒落な楽器屋でアコギからエレキ、ベースも狭い店内でもぎっしり並べられてあり、なかなか魅力的だった。
そのお店はスタジオも隣接しており、練習終わりの若者で店内は賑わっていた。


アコギのコーナーは店内の1番奥にあり、既に一組のお客さんが説明を受けていた。内容からギターを初めてやろうとしているようだ。
それもあってか少し安心して見ることができた。
値段はピンキリであったが基本的に予算の5万円を上回り少し冷汗が出る。
高いものだと数十万レベルまであった。

とりあえず数ある中から丁度予算程度のFenderのギターを見つけ、それを目安として店員さんに声をかけた。

とりあえず自分の思いを伝える。
ざっくり値段の違いを聞くが、予想以上に詳しく教えてくれるもんだから安心して聞くことができた。
事前にもいろいろ調べてきたつもりだったがやはり知らないことの方が多かった。

基本的には初めは機能性とかよりも見た目とか自分の直感で良いらしい。
先程目星をつけていたFenderを基準にしているのを伝え、他のおすすめを聴いてみる。

そうするとこいつの音が本当に良いんですよとTaylorのギターを紹介された。
シンプルながら、通常のものより一回り小さかった。
アメリカでは1番有名ブランドで、プロのミュージシャンもライブで使うレベルらしい。
店員さんが目の前で演奏してくれた。

店内に音色が響き渡る。
音を聴いただけなのに身体中に衝撃が走ったのを感じた。
比較してFenderのギターも演奏してくれたが音の響きはTaylorが優っていた。
直感的にもこちらのギターの方が自分に合っている感じがした。

値段は8万円。少しオーバーだ。
そんなことを思いつつ、とりあえず試奏させてもらった。
自分が知っているコードを片っ端から押さえて慣れないストロークで弾いてみた。
細かい違いはわからないがやっぱりTaylorの方が音といい弾き心地がしっくりきた。

何度も何度も交互に演奏して悩むこと30分程度
再び店員さんがやってくる。

こちらにします!

Taylorの購入を決意した。
勝手ながらやり遂げたと思う反面やらかしたなって思う気持ちもあった。
まんまと営業戦略にはまったところもあるかもしれないが、個人的にはかなり満足した買い物ができたと思っている。

現在は片っ端から気になる曲を見つけては練習に励む日々だ。
将来的には誰かの前で堂々と弾き語りができる日々を妄想して頑張っていきたい。
学生時代にそんなことを思いながら練習していたのを今でも思い出す。
あのころと音楽に対する思いは変わってないんだなと。

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