新米ARMYの私が、はじめて彼らを肉眼に焼き付けた日。そして涙。
昨日夕方、BTSの所属事務所から以下の発表がされた。
BTSの兵役問題は、特例措置の適用有無含めて以前から大きな話題になっており(こちらの記事参照)、特に韓国国内での政治経済においても大注目のテーマだった。わたしも「いつかは」と心の準備はしていたつもりだった。
けれど、つい2日前にBTSの釜山コンサートから帰国し、彼らの存在とパフォーマンスに圧倒されて放心状態であった私にとっては衝撃が大きく、3年間ほど彼らのパフォーマンスを見られないことを受け止めきれずにいる。
”推し”と無縁のわたしがなぜBTS?
もともと音楽やダンスは大好きで、邦楽/洋楽とわず色んなライブやフェスに行き、その度にめちゃくちゃ楽しむタイプではあるけれど、いわゆるその「存在」自体を崇め、没頭することはこれまでほぼなかった。
自他共に認める超現実主義の私がここまで魅了されたのは、なによりも彼らの歌とダンスを通した圧巻のパフォーマンスである。(そのほかにもたくさんあるが)
そこから、先輩ARMY(BTSファンの呼称)である友人と母から色々と教えてもらい、ズブズブと沼にハマっていった。
(この友人からも「絶対あちゃこはハマらないと思っていた」と言われるくらい、自分でも想定していなかった)
活動休止疑惑からの、釜山万博誘致コンサート
そんななか、今年6月に新曲Yet To Come(これまで9年間のBTSの活動を振り返り、「最高の瞬間はまだこれからだ」という意味が込められた楽曲)の発表とともに、ライブ配信で「第1章のおわりと第2章の幕開け。これからは個人活動を積極的に行なっていく」旨がメンバーの口から話された。
これが「グループ活動休止!」と大きく報じられ、のちにメンバーが休止はしない旨をフォローしたりしていたのだけれど、先の兵役問題もあるなかでの個人活動フォーカス発言はかなりセンシティブな内容であることには違いなかった。
そこからまもなくして、万博誘致のためのコンサートが釜山で行われることが発表。ダメもとでファンクラブ抽選に応募、友人と母と3人で渡韓計画を立てた。
チケットが取れないで有名なのは以前から知っていたので、当たらないよね〜当たらなくても韓国行こうね〜なんて話していたなか、なんというビギナーズラック。
友人と母を差し置いて、私のみ当選してしまったのである。
友人は、「きっと、ももちゃん(飼い犬)の病気のことで大変ななかで神様がくれたプレゼントだよ」と言ってくれた。
でも、せっかくならやっぱり3人でいきたい。その後、チケッティング(抽選以外の座席の早い者勝ち)やスポンサー分の応募など、あらゆる手段を使ったものの、チケット確保はできず、1人でのコンサート参戦が決定した。
さて、ここからが本題。
渡韓とコンサート参戦について振り返っていこう。
過酷スケジュールと直前でのバタバタ劇
これは旅行ではない、戦いである。
そのスケジュールがこれだ。(後述するが、コンサート当日はこの予定どおりにいかなかった)
コロナ禍初の海外で、せっかくなら観光も楽しみたかったが、それどころではないスケジュール。
今回は韓国国内の移動もあるため、観光に充てられる時間はほぼなかった。
(いまとなっては、もう1泊すればよかったと激しく後悔)
そして、もともと3人で渡韓、友人と母は現地のパブリックビューイング会場で参戦予定だったものの、色々あり(ここでは割愛)直前で友人が渡航できなくなってしまい、母との親子旅となった。
(ちなみに、母も色々あり前日に渡韓できない..となったが最後まで粘り結局渡韓できた。)
1日目
出発前日、会社の代表と話していた際に、「絶対前泊すべき!」とアドバイスをもらい急遽前泊することに。成田空港の敷地内にあるこちらのホテルに終電で向かい、翌日に備えた。
空港で母と合流し、無事搭乗。
今回ZIPAIRというLCCを利用したが、機内がきれいでWi-Fiも無料。とてもよかった。
そして、飛行機のなかは面白いほどにARMYだらけ。「いよいよか・・・」と少しだけ実感が湧いてくる。
韓国に入国し、そこから息つく暇もなくソウルに移動、そして釜山に移動。
ちなみにソウルから釜山行きの新幹線に乗り遅れそうになり、慌ててホームにいた電車に飛び乗ったところそこは3号車で、座席が18号車だったため満席電車の中を大汗をかきながら大移動したら、すでに我々の席に別の人が座っており、実は1本前の新幹線に乗ってしまっていた。
ホームの売店でカスタードクリームの大判焼を買ったところ、中には丸ごとゆで卵が入っていた。
などなどの珍道中はが多々発生。
釜山から1駅先のホテルにチェックインが完了すると、もう時間は夕方6時をすぎていた。
釜山を味わうのであればこの日の夜しかない!釜山といえば海鮮!ということで、観光地でもあるチャガルチ市場に向かい、お刺身とカンジャンケジャンを食す。
うう〜ようやく韓国にきた実感が!
その後はブラブラしたのち、カフェでめちゃくちゃ甘いお茶とケーキを食しホテルへ。
翌日のコンサートに備えて早めに就寝・・・と思いきや、深夜までYouTubeで予習。気持ちを高めていった。
2日目
いよいよ当日。早朝から会場付近は混み合うと言われていたため、7:30には出発予定が、まさかの2人とも寝坊。。8:00過ぎに起きてそこから準備、忘れ物を一度ホテルに取りに帰るなどのトラブルもあり、会場の最寄駅についたのは10:00だった。
駅に降りたつと同時に、2日前に誕生日を迎えたメンバーJiminのセンイル広告(ARMYがメンバーの誕生日を祝うために、お金を出して広告を出す文化がある。あらためて、すごいモデルだ)が一面に広がっていた。
Jiminペンの母が大興奮しながら写真撮影をし、会場付近につくと既に人で溢れかえっていた。
韓国人や日本人はもちろん、欧米人やヒジャーブを巻いた人まで。
改めてのグローバルな人気ぶりを実感。。
今回は万博誘致ということもあり、Hyundai、ロッテなどをはじめ各社がスポンサーとしてブースを構えており、それぞれ大行列。
そこから、各国のARMYがオリジナルで作ったグッズ(このクオリティが本当にすごい)を貰いながら会場につくと、そこはもうチケットの本人確認の長蛇の列ができていた。
競技場の周りを2周したのち、奥にあるグラウンドでも行列。
結果、炎天下のなか4時間半並び、ようやく本人確認が完了。
時間は15:30で、既にスタンディング待機の整列時間を1時間もすぎていた。
その後、あわてて待機の列に並び、そこから2時間。。
開演30分前に、ようやく会場へ。
(のちに知ったのだが、この日万博誘致のボランティア200人がドタキャンしたとかで、オペレーションがぐちゃぐちゃだったよう。開演に間に合わなかった人もたくさんいたらしい)
ちなみにこの日は朝から何も食べておらず、炎天下の中の行列と人混みで熱中症気味に。そんななか、前後に並んでいた他国のARMYが飴やチョコをくれて、なんとか生き延びることができた。優しいひとが本当に多かった。。
今回わたしのチケットは、なんとステージ目の前のG02ブロック。
ただ、3000人超入るそのブロックのなかでの整理番号はほぼ最後尾だった。
「とにかくスタンディングは押されて潰されて危険だから気をつけて!」と先輩から忠告を受けていたので、あえてブロックの後ろの方の空きスペースに待機。
このときも、まだ実感は湧いておらず、本当に肉眼で見られるのか、、ふわふわした気持ちのまま、そのときを待っていた。
そしてそのときがやってきた
カウントダウンと盛大な花火とともに、そこに彼らが現れた。
はっきりと肉眼でとらえられている。
自分のなかで本当に存在しているのか分からなかった、どこか遠くの世界にいるように感じていた彼らが肉眼でそこにいて、夢の中にいるような、幻をみているような、目の前にいるのに実感が湧かないまま、圧巻のパフォーマンスが始まっていった。
最初の2曲くらいの記憶が一切ないのは、目の前の光景が現実なのかわからなく唖然としていたからだろうか。。
兵役履行が決まった今振り返ると、なおさら「だからこういうセットリストだったんだ」と納得できる、一貫してメッセージ性の強い曲の数々。
そして、ハッと我に返ったときには予定されていた時間が過ぎ、終幕のときが近づいていた。
最後の曲Yet To ComeのARMY TIME(ARMYからメンバーへのサプライズでスローガンを掲げるというもの)が終わり、あっという間に終わりがきてしまった。
これまで参加したコンサートのなかで、圧倒的に時間が経つのが早く感じた。なぜだろう。
唖然としたまま、放心状態で2時間ほどかけて帰路につき、母と合流。22:30に”THE地元”という感じのカムジャタンのお店に入り、この日初めての食事を取った。
出汁がきいていてめちゃくちゃおいしかった。
3日目
前日の疲労と燃え尽きた感情を引きずったまま、朝6:00にホテルチェックアウト。長い長い帰路の旅が始まった。
新幹線や飛行機のなかでも、さっそくARMYたちがあげたコンサートの動画を見ながら
「本当にわたしは昨日ここにいたんだよな」
「これを生で見たんだよな」
と自問自答しながら、無理やり実感を沸かせていった。
日本についたときはもう夕方16:00。
あっという間の3日間が終わってしまった。
振り返り
もともと、このnoteでは旅のレポートのみを書こうと思っていた。
けれど、帰国後すぐに兵役が発表され、もともとよくわからなくなっていた感情がさらにわからなくなり、まとまりのない文章になってしまった。。
ただひとつ確実に言えるのは、今回現地でコンサートに参加できたことはめちゃくちゃ幸運だったということだ。
この先、また彼らのパフォーマンスを肉眼で見られる日がくるかわからないけれど、今回の想い出を胸に、少しずつ現実の世界に戻ってこようと思う。
またふつうに観光でもいきたいな、韓国。
最高の想い出を、ありがとう。
さいごに、最高の歌声を。。
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