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「でもやっぱり人間向いてないわ」離婚未遂のあの夜のこと

両親は覚えているかわからないが、
幼稚園の頃、父に「ママと離婚するから、どっちについていきたいか考えておいて」と言われた。

幼稚園の私は
父が言うから今回は本当なのだと思った。

他の兄弟が言わなかった方について行こうと思った。そうすると兄弟は分かれてしまうが、
両親のどちらかが1人では寂しいだろうと思った。

父について行ったら、家事は私がするのだろうか、
母について行ったら、母は働きに出るのだろうか

どちらかともう会えないのか、
どこに住むのだろうか、

そう寝ている父の横で私は考えを巡らせていた。

他の兄弟がどんな行動をしていたかわからないが、真っ暗な寝室で、父の横で寝そべりながら、
私は必死に考えた。

答えの出ないことをずっと考えていた。

そしたら、いつの間にか寝ていて、
私は目を覚ました。
もしかしたら、知らない間に、私たち家族の世界は進んでいて、取り残されていたらどうしようと思い、階段を駆け降りた。

普通の光景が広がっていて、私は混乱した。

ただ聞けなかった。
もし現実になったら怖いから、
離れなかったら、よかった。
離婚せずよかったと思った。

そうして月日が過ぎ、
また離婚するという話が中学生の頃に出た。

幼稚園の頃からの思考回路は変わらず、
考えていた。
幼稚園の頃と違ったのは、
結論が出たことである。

「私の生活が変わらないのであれば、
2人が別れても構わない」ということである。

母親に話したら、
「ひどい!」と怒られた。
薄情だ、的なことも言われた気がする。

その後、なんかの時に
中学だか高校の部活仲間に
「私はパパママが喧嘩するのが嫌だから、
2人の手を取って、はい、仲直りってするの。」
と言っていて、
私は何が解決するのだろうと思った。

私の母は、
多分そういうのを求めていたのだと思う。

夫婦の問題は子どもを巻き込んでは行けないと思っているが、
線引きをされたことが嫌だったのだという。

たまに離婚、喧嘩した等いうが、
もはや今はどちらでもいい。

私は家族にとって、異質で
斜め上のさらに上をいく存在であるらしいが
私にはまだその自覚がない。

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