コスメ業界のマーケティング事例(yappliさんプレゼンツ)
化粧品業界といえば広告費がとってもかかる業界。そのため、費用対効果を高めるマーケティングのテクノロジーが進歩しやすい側面があります。
各社がどんなことを取り組んでいるかを早くキャッチアップしておかないと、どんどん遅れをとってしまいますが、事業会社の事例を聞く機会ってそんなに多くない。
で、yappliさんのセミナーに行ってきました。
yappliさんと全く関わりのない企業さんも話していたりして、島袋さんのネットワークというか求心力がすごいなと。内容とは関係ないですが。笑
コスメマーケティングのデータ活用:デジタルガレージの小林さん(元資生堂)
ヤフーから資生堂に2015年に入社してDMPをご担当。
サードパーティーデータ活用されていたとのこと。活用は苦労の連続で、むっちゃムズイ。
そもそも属性すらも当てられないこともあるので、どんなデータを集めたいかが超重要。
美容に関心がある人を探す、でも、その中で自社で提供したい美容に当てはまるかどうかのターゲティングがむずい。
例えば、敏感肌で深刻な悩みがある方、というのを当てるのは結構できるかも。
むしろ、自分たちでコンテンツ作って、そこの情報活用した方が当たる。
アンケートを作ったり、特定の悩みに対する記事を書いて、コンテンツマーケをしたり、など。
美容に関心がある人は、検索ワードや外部サイトのコンテンツのH1タグ?のデータなどで集めてくるのが定石。でも、それだけだと深度が分からなくて、そのせいで3rdパーティーデータの活用は、うまいこといかないのかも。
感情をとらえたレコメンド
情緒的な感情(情緒的な価値)を使ったレコメンドが、活用事例としては面白い。タイミングや訴求として「感情」を使う。
「わくわくしたい、楽しみたい、そんな感情のあなたにおすすめ!このルージュで気分が上がる!」みたいな。
このタイミングと訴求を捉える(モーメント的な?)
例えばとして、apple storeの感情とかお気に入りを、バルーンに書かれた単語を選んでいくコンテンツとかは、いい事例かも。
選ぶとバルーンが大きくなっていって、自分の興味関心が視覚化される。
アンケートも自社コンテンツも、どれだけ答えてくれるか・参加してくれるか、が大事。
これからのコスメ
「リアル×何か」が今後大事。
例えばで出てきたのが、@cosmeの渋谷店とか。
アプリ入れている人だけ、3階エリアに入れるインセンティブがあったり、bluetooth?で店舗の近くに来ると、アプリ経由でポイントがもらえたりするのでフリークエンシーあげる仕組みがあったり。
プロダクトとしては、poutine(資生堂のスキンケア)とかperso(ロレアルのメイク)みたいなサブスクが増えそう。アプリで顔から提案して、AIとの対話で新しい双方向のコミュニケーションが生まれる。
業態として、D2Cがここでも増えそう。「glossier.」「バルクオム」「MEDULLA」とか。インフルエンサー発信のやつとか増えそう(CAさん始めましたね)
そもそもD2Cと既存の単品通販の違いって??
└お客様起点で融通が利きやすい、の違いが大きいかも。
今までは買い場だけが顧客接点だったのを、家の中や移動中でもコミュニケーション可能にする。そのソリューションとしての一つがアプリなのかも。
初期投資もかかるけど、ネスカフェみたいに初期コストを企業が持って、優良な人が定着化してくれることで利益を作っていくような構造が大事になってきそうですね。
ここでも出てくる、今話題のファンマーケティングですな。
ここからはLTです。
お客様の気持ちが熱いときに、欲しい情報を、欲しい形で、提供しやすい環境を作ることが大事
◆THE BODY SHOP:斎藤さん
アプリのこと。
広告なしで〇百万以上ダウンロード⇒店舗が一番の広告。
スタッフがおすすめしてダウンロードしてPOS読むと、マイショップ登録される、それが店舗の評価にもなる。
スタッフが熱いタイミングを逃さずにおススメ、ちゃんと評価される仕組みが大事。
アプリがダウンロードされるタイミングは、接客してレジに向かう直前。
ここでダウンロードしてもらう時間を作る。
レジ前に行ってからだと、レジ待ちでめっちゃ並ぶから避ける。
たぶん実店舗だけじゃなくて、ECとかでも同じことが言えるんだろうな、と。カート確認の画面でアプリ促進のレコメンドが良いのでしょうね。
◆テテマーチ:高味さん
ファンづくりとは?
SNS活用では、企業が何を伝えたいかではなく、ユーザーが何を知りたいか、が大事。
【ポイント①】
「好き」は「いいね」だけじゃなくて、じっくり見てもらえるかも大事
インスタの場合は投稿の保存ができる(ハウツーとか商品特長とか)。
保存を伸ばすべし。画像クリック数も大事。
【ポイント②】
見たもめ大事だけど、やっぱり中身!
最近は中身が詰め込まれたもの(テキストとかも入ってキャプションもあるものとか)の方がエンゲージ高い。
映えだけのアカウントはもう飽きられているかも。
【ポイント③】
コスメ以外の「好き」もコンテンツにして楽しい体験を。
コスメ系イラストレーターさんにインセンの似顔絵にしてみるとか
コスメ業界はレッドオーシャンで新規獲得がどんどん難しくCPRも高騰しているから、ファンをがっちりつなぎとめよう。
※インスタ内で決済できるチェックアウト機能がもうすぐ。
※SINIS(インスタの分析ツール)boite(twitterの分析とかチャットのツール)を提供しているよ(営業)
◆qnoir(シェアサロン)
いろんな個人事業の美容の人がいるサロン。他だと、ネイルならネイルだけ、とか専門系が多いが、ここは複合型で提供する。
アプリでユーザーとプロをマッチングしてサロンで施術、の流れ。
複合型であるからこそ、クロスセルもしやすく、そこがユニークポイント。
まとめ
テテマーチさんの、ファン化が大事なロジックはとっても分かりやすい。今はロイヤリティの高いお客様も、ふとした瞬間には慣れていきやすくなっている。気がする。
時代的に、他社商品との比較検討もしやすくなったし、商品特徴の隙間を埋めるようにしていろいろな商品があるから、移行もしやすいのでしょうね。
顧客接点を買い場以外でも作って、その人の関心のシェアを獲得することが大事。
世間一般でバズるのは難しいかもしれないが、その人の中でだけバズらせることを目指したい。
【まとめ】
・データで感情を捉える。
・アンケートも自社コンテンツも、どれだけ答えてくれて参加してくれるか、が大事。
・リアル×何か、で買い場以外の顧客接点を作る。
・新規獲得も大事だが、ファン化してがっちりつなぎとめよう。
・その人の関心のシェアを高めて、その人の中でだけバズらせる。
ちなみに、会場はヤプリさんのオフィスで六本木一丁目のビル41階、眺め、いいいいいい。
東京タワー見えたな。
しかも終わりにピザーラのピザを大量に頼んで、みんなに振舞っていて、とってもナイス。
ピザーラうめえええ
ちなみにピザーラはフォーシーズという会社さんが運営していて、ほかにもジョエルロブションから串カツでんがなまで幅広い層のお店を経営されているとのこと。
ぜんぶうまい店だ。ピザは生地から手作りなのがいいよね。だからうまい。
勉強させていただきました。