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♯38 たった一言が、取り返しのつかないことを生む
すごく端折って書くと、人格を否定されたことがある。仕事でミスが続いた私に向かって、ある人が「人格が低いから失敗するんだ」というようなことを言ったのだ。正しくは「書かれた」のだが。
実は上記の表現はかなり整えている。電子掲示板に書かれた実際のコメントは、もっと嘲笑うような表現で、ご丁寧に(笑)まで付いていた。
しかも、その書き込みはメンバー全員が見ることができたのだ。
心のダメージが体に出た
ミスをしたのは私なので、何をいわれても仕方がないと思っていた。が、なぜ全員が見えるところで、わざわざこの言葉を書くのか。リモハラが取り上げられているのに、受けるダメージを想像できないはずがない。ダメージを負うことをわかって「あえてやった」と捉えるのが自然だろう。
この言葉を読んだ瞬間、私は息を呑み手が止まった。そのあと、心臓に猛烈な痛みが走り、手が震えて止まらない。それでも平気なフリを装って謝罪し、その日の仕事を完成させた。
帰って家族の顔を見ると、反射的に涙があふれ、嗚咽が止まらなくなった。家族はただごとではないと思ったのだろう、私が落ち着くのを待って、話を聞いてくれた。
家族のアドバイスは「残りの仕事を辞退して、すぐにそこから逃げろ」
話を聞いてくれた家族は、開口一番そう言った。請け負った仕事をやり通す責任があるから、と言った私に、家族は次のことを説明してくれた。
・かなりダメージを受けている状態に見える
・明日、相手はさらに攻撃してくるはずだ。なぜなら、今日のやりとりで攻撃に快感を覚えているはずだから
・そうなると歯止めがきかず、相手が壊れるまで攻撃する可能性がある
・あなたは今は冷静に判断できない状態だから、人の言うことに従うほうがいい
家族が最後に「周りにいる人を巻き込まないためでもある」といってくれたことで、私は冷静さを取り戻し、辞退を決めた。※正社員とかではなく辞退できる仕事だった
心が壊れるってこういうことなのかも
実は私は「目には目を、歯には歯を」タイプというか。やられたら、やり返さないと気が済まない。つまり、マイナスダメージを「怒り」に変えるタイプなのだ。
だから、辞退する時も、言うべきことは言ってやると思って、淡々と伝えた。もちろんトラブルになってはいけないので、どのように伝えるかは、家族が一緒に考えてくれた。家族が人事畑にいたことがあり、このようなトラブル対応に慣れていることもあって、スッキリ立ち直った。今思い出しても怒りはわくが、体に症状が出ることはない。
心はカンタンに壊れると実感
「心が壊れる」って、こういうことを言うんだと思った。気をしっかり保とうとしても、無理。体が反応して、制御がきかなくなる。問題ないと頭で考えようとしても、心はそうではないと体が示してくれた。努力とか根性なんて役に立たない。そんなレベルの話ではないのだ。
人格や人間性、アイデンティティについて他人から攻撃されると、こんなにダメージを受けるのかと驚いた。たとえそれが冗談や軽い気持ちで放った言葉だとしても、刃のように鋭く相手に刺さってしまう可能性は、意識するほうがいい。そして、刺さったら、二度と抜けないことも。
もし私が、マイナスダメージが自責に向かうタイプの人だったら…おそらくこれでは済まなかっただろう。
たった一言が、人を殺す
よく言われることだが、これは真実だと思った。
言葉を扱う仕事をしている者として、この経験をしたのは大きいと感じている。が、こんなことは経験しないほうがいい。傷がかさぶたで済んだとしても、傷なんか負わないほうがいいのだ。
もし、これと同じようなことがあったら、すぐにやるべきは「逃げること」だ。絶対に全力で逃げたほうがいい。心を殺される前に。
そして、一緒に仕事をする相手にミスが続いたら「ミスが増えているけど、どうした? 困っていることはある?」と声をかけることを意識している。なぜなら、失敗したくてする人なんていないから。何かしらの事情があることが多い。
逃げることはよくないといわれるが、ケースバイケースだ。心が壊れるくらいなら、逃げてほしい。そう思っている。
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