第5章第3節 淡白だった剱岳第2登取材
富山駅前から直通バスで約2時間半、終点の室堂ターミナルで降りる。国内有数の山岳観光ルートの拠点とあって休日は大変なにぎわいだ。ターミナル周辺の平地を室堂平という。東西600メートル南北200メートル、標高は2420~2450メートルで、東西方向にやや傾斜している。一番低い場所にあるターミナルから徒歩10分、平地の一番奥の高い所に木造平屋建ての建物が立っている。国内最古の山小屋とされる国重要文化財「立山室堂」である。最古という割にはそれほど古めかしくもない。すぐ後ろが浄土沢に続く崖だ。おそらく水場を考えてこの場所に建てられたのであろう。多くの登山客はこの建物の横を通って雄山山頂をめざす。
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