(8) コラホイへの憧れか
パハルガムは東リダル川と西リダル川が合流する盆地にある。標高2145メートル。東の谷を行けばチャンダンワリを経てシシュナーグそして聖地アマルナート洞窟、西の谷を進めばアルー村を経てコラホイそしてシンド谷へ抜ける道もある。
石崎光瑤が旅した1917年(大正6年)5月、当時はここからタニンまで、ポニーが使えない山道となった。道そのものが険しかったからか、それとも雪道だったからか。ポニーの代わりに25人のポーターが必要だった。丸一日かけて20人を集め、一行は30人という大所帯とな