やりたいことを号泣しながら話した日
税理士事務所で働いていた私は限界がきていました。
休みを返上してのハードワークに、常に前向きさ貪欲さを求められる環境。ここまで売り上げを上げれば昇給すると言われていたのですが、今年からは評価が変わったと言われたこと。やっぱり税務に興味がわかずに成長意欲がわかないこと。後輩にガンガン成績を抜かされること。
全てにおいて、もう限界でした。
しかし、来月には結婚式がありその支払いもあり、転職したとしても何をすればいいのか全くわからない。
不眠が続き、パフォーマンスがどんどん落ちていったある日、出社すると悪寒が起き、この世界から消えたいという気持ちが抑えられなくなりました。
このままではかなりまずいと思い、午後休をとって精神科へ行きました。
診断されたのは適応障害。
自分の不調が怠けだと思っていた僕は、そうか病気だったのかと安心したのを覚えています。
医者からは今の環境を変えることと言われたが、そんな簡単に出来ることではありません。転職しようにも何をすればいいか全く分からなかったからです。
そんな中で、一人のキャリアコンサルタントに出会いました。
麦わら帽子をかぶり、非常にラフな格好をした人でした。
なぜか私は直感で、この人についていこうと決めて、人生を一緒に振り返ることにしました。
そのワークは人生を1歳のときから振り返っていったものですが「実は、詩や美しい言葉を読むことが好きなんです。」と話したときには号泣していました。
どうやら私は、今までの人生で役にたたないことは意味がないと切り捨てていたようです。
やりたいこと、好きなことではなく、将来に役立つかもしれないことを優先していたようです。
税理士事務所に入社したのも、経営者の役立ちたい、税理士になりたいと言う気持ちではなく、もし会社がダメになっても起業という道を作っておこう。そのためには基礎を学んでおいた方がいいだろうという意識からでした。
私は、詩を読むこと、読書すること、美しい言葉に出会うことが好きなのに、そんな自分に価値はないと否定し続けていました。
しかし、本当は自分が好きなこと、やりたいことを否定されるのが怖くて人に言えなかっただけでした。
でも、受け止めてもらってからは違います。
心の底からやりたいことというのは、非常に尊いものだと思います。
人から否定されたりバカにされるものではないです。
それは、自分自身からでもそうです。
これが好きだと言うのを受け止めてあげて、それを肯定し続ける。
これが人生において非常に大切なことだと、今ならば思います。