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本のタイトルでしりとり(No.2)

1.『旅する絵描き タブローの向こうへ』いせひでこ
    ↓
2.『閉鎖病棟』帚木蓬生

とある精神科病棟で繰り広げられる物語。
精神科医でもある作者によって書かれた、山本周五郎賞受賞作。
少し前に、映画化されたこともあり、またクローズアップされているようですが。私が読んだのは、10年ほど前。
当時、精神科の先生の下で事務的な仕事をしていたこともあり、興味を引かれ、読んでみたのでした。
重い内容ではあるけれど、作者の優しい眼差しが感じられ、涙しながら読んだ思い出が…。
普通って何だろう? と考えさせられました。

この本には、もうひとつ個人的な思い出が。
夫が1年間お世話になった新人看護師さんが、結婚するため地元に戻ることになり転職を。
「彼女は職場を変えられないので、僕が変えることにしたんです」
の言葉。なんだか微笑ましくて。応援したいなぁ…という気持ちで見送りました。
療養病棟から精神病院という今までとは全く違う環境に移るというので、この本をプレゼントしたのです。普段から読書が大好きで…という話を聞いていたので。
元気にやっているかな…なんて、ふと懐かしく思い出してしまいました。

私は本を読むのが大好きで、ジャンル問わずいろいろ読んでいるのですが。
あまり記憶力が良くなくて、何年か経つと、結構本の内容を忘れてしまっていて…。改めて読むと、また新鮮な気持ちで読めてしまうことも多々。いいのやら悪いのやら。
もう新たに本を買わなくても、自分の本棚の本を読み返すだけで充分楽しめてしまうかも⁉
…と思いつつ、やはりまた新たな本に出会ってしまい、積読本が増える日々。

久しぶりに手に取ったこの本。
端を折ってあった頁に、こんな言葉が。

眼は外の物をありのまま見るのではなく、自分のフィルターで思い描いたものを、外の世界に勝手に見つけてしまう。

同じ世界にいても、見えているものは人それぞれ。
自分にしか見えてないもの、たくさんあるのだろうな。
素敵なものが見えているといいけれど…。
年を重ねるほど、やわらかな目で世界を見ていかれたらいいなぁ…などと思うこの頃。

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