最短距離は行かない 1 箏の波 kotonoha 2020年12月10日 08:09 最近「恋愛しない若者が増えている」と聞きますね。理由は「コスパが悪い」。日本社会がすべてにおいて、効率を追求してきた結果でしょう。恋愛、はその一例でしかありません。学校でも職場でも、「ムダ」を徹底的に省くことが求められます。「ムダ」は諸悪の根源。効率の観点から考えると、楽器演奏の習得は、その逆をいく最たるものです。このため、音楽教室では、その「効能」を「コスパ良く」見えるように訴えます。曰く、感性が豊かになる、継続する力が付く、合奏で協調性が身につく。まあ、ウソではありませんが、それらを身につけるためなら他の手段でも可能です。では、なぜ楽器を「箏を」習う(弾く)のか。何十年と箏を弾いてこられた先生方から聞くのは「箏は人様にもお聞かせするけれど、自分との対話なんです」大川義秋さんも、今は素晴らしい奏者ですが、箏との出会いは、独りで楽器と向かい続けた日々のようですよね。上手くなるには、演奏会やコンクールは励みになりますが、賞を取ることは結果であって、目的ではありません。「上手くなる」ということでさえ目的ではなく、うまく弾ければそれだけ自分の気持ちを的確に表現(アウトプット)出来るようになるという手段なのでしょう。誰の為でもなく、ただただ、箏を弾く。箏と、そのようなお付き合いが出来る人が、増えるといいなあとつくづく思います。それが出来ると、たぶん、自分自身がとても楽に息が出来るようになるよ、と知ってもらいたい。たとえば、コスパに捕らわれて、最短距離でないと足を踏み出せない人や、他人目線に捕らわれてしまい、自分を閉じ込めてしまっている人たちに。 #効率化 #楽器練習 #自分との対話 #和楽器 #箏 #コストパフォーマンス #最短距離 #箏の波 1 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート