五十鈴川を守る水神の父娘神、川・石清水神 元伊勢一〇四 神話は今も生きている ことの葉綴り四三四
薬師如来のご縁日 天武天皇と持統天皇の夫婦愛
おはようございます。爽やかな週末の朝です。小鳥の囀りを聞きながら、「ことの葉綴り」に向かいます。
今日八日は、「薬師如来」さまの御縁日。人々の健康を守ってくださる御仏。奈良県の「薬師寺」さまでは、毎月このご縁日に、「大般若経転読法要」と、管主様の法話が行われるようです。
「薬師寺」さまは、六八〇年、天武天皇が、皇后の鵜野讃良皇女(うのさららひめみこ)の病気平癒を祈りおつくりなろうと願われましたが、お寺の完成を待つことなく崩御されたのです。
そして病気が治られた鵜野讃良皇女(うのさららひめみこ)が、ご即位されて持統天皇としてお寺を造営され、六九七年に、ご本尊の薬師如来さまの開眼がおこなわれたそうです。
ご夫婦愛ですね。
きっと令和三年の今、天武天皇・持統天皇共に、国民の健康を願ってくださっているでしょうね。
天武天皇がお定めになった伊勢の神宮「式年遷宮」
天武天皇さまも、神さまをとても大切にされました。
伊勢の神宮で、二十年に一度、天照大御神さまはじめ神々がお静まりになる宮処を、新しくしてお遷りいただく「式年遷宮(しきねんせんぐう)」をお定めになられたのです。
二十年に一度、神さまにお遷りいただくために、建築、御装束、御神宝を新しくすることで、その技術や精神を未来永劫守続けていくという“神宮の智慧”。
だからこそ、二千年以上の歴史がありながら、伊勢の神宮が、「古くて新しい」のです!!
遥か古、ご自身の御足で歩かれ、また皆と御船にのり、天照大御神さまの宮処を求めてご巡幸された、豊鋤入姫命(とよすきいりひめのみこと)さま、倭姫命(やまとひめのみこと)さまも、きっと「式年遷宮」で、古を受け継ぎながら、常に新しく清らかなことを、お喜びになっているでしょうね。
では、倭姫命(やまとひめのみこと)さまの「元伊勢」の物語に入ります。
※これまでの神代~14の神話の物語(1~367回まで)のまとめはこちらです。お好きな神様の物語をご覧になってください。新たに「元伊勢 倭姫命さま 前編」の物語もマガジンに「まとめ」ました。
元伊勢「奈尾之根宮(なおしねのみや)」で
伊勢の「奈尾之根宮(なおしねのみや)」に、倭姫命さまがいらっしゃるときに、天照大御神さま孫神の邇邇芸命(ににぎのみこと・瓊瓊杵尊)さまが、「天孫降臨」されたときに、道案内をなさった、猿田彦神(さるたひこのかみ)の末裔である、大田命(おおたのみこと)さまが参上してまいりました。
猿田彦神さまは、「啓行(みちひらき)」の神さまとして知られています。伊勢市内の「猿田彦神社」さまは、猿田彦神さまの末裔の、この大田命(おおたのみこと)さまの子孫の宇治土公家(うじのつちのきみけ)が、歴代の宮司を継承されているのです。
夫婦岩が有名な、二見にご鎮座する「二見興玉神社」さまも、猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)さまが、祀られています。
伊勢の神宮にお参りする前、この二見の浜で、身を浄めるのも有名ですね。
そして、倭姫命さまと、猿田彦神の末裔の大田命(おおたのいこと)が出会われた「奈尾之根宮(なおしねのみや)」といわれている「元伊勢」もありますよ。
一社は、伊勢市中村町にご鎮座する「宇治山田(うじようだ)神社」さん。
もう一社は、伊勢市宇治今在家町の「津長(つなが)神社」さん。
どちらも、伊勢の神宮の皇大神宮(内宮)の「摂社」です。
五十鈴川を守る水神、父娘神、川の神、石清水の神
「宇治山田(うじようだ)神社」さまは、「興玉森(おきたまのもり)」と呼ばれる丘陵にご鎮座しており、ご祭神は、水の神である山田姫命(やまだひめのみこと)さまです。
こちらには、五十鈴川の守り神「那自賣(なじめ)神社」さまがご一緒にお祀りされていて、大水上御祖命(おおみなかみのみおやのみこと)さまと、御裳乃須蘇比賣命(みものすそひめのみこと)さまもお祀りされています。
もう一つの「津長神社」さんは、皇大神宮(こうたいじんぐう)こと内宮の宇治橋の近くにご鎮座されています。
昔は、この近くに五十鈴川の船着き場があったといわれており、倭姫命さまご一行の御船も、こちらに着かれて、そして、「奈尾之根(なおしね)の宮」をお定めになられたそうです。
津長とは、五十鈴川の、中州(洲長すなが)となったころから呼ばれていたそうです。
ご祭神は、水の神の栖長比賣命(すながひめのみこと)さまで、
先ほどの「那自賣(なじめ)神社」のご祭神、大水上御祖命(おおみなかみのみおやのみこと)さまの娘神さまなのです。
ご一緒に「新川(にいかわ)神社」の、川の神、新川比賣命(にいかわひめのみこと)さま。
「石井(いわい)神社」には、石清水(いわしみず)の守り神の高水上命(たかみなかみのみこと)さまがお祀りされています。
そして、ここから、倭姫命さまと大田命さまの対話が始まります。
―次回へ
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