ことばを伸ばす絵カードマッチング
こんにちはコトノハ教室です。
マッチングというのはAとA(あるいはB)を合わせるという活動のこと。
カテゴリー分けもマッチングの活動に含まれるかもしれませんね。
マッチングはことばを促す遊びとして度々使われています。
例えば同じカードのマッチング、果物・乗り物カードを分けたマッチング。マッチングの活動と言ってもたくさん考えられるので全てを挙げることは出来ませんが、私が普段より用いているマッチングについてお話しをしていきたいと思います。
どのようなマッチングがある?
マッチングの方法には実物を使ったり写真・絵・文字・記号などを用いて進めていくことが多いです。
実物と実物のマッチング
絵と絵のマッチング
実物と絵のマッチング
これらはことばの先生がよく使うようなマッチングではないでしょうか。
マッチングはこれだけでなく、音声と絵、文字と絵のマッチングなど様々な方略が考えられます。
様々ありすぎてしまい全てを挙げることは私には出来ないため、活動頻度の高い上記の3つのことを以下で示したいと思います。
同じ絵のマッチング
同じ実物を使っても似たような説明をすることが出来ますが、難易度は絵カードよりも実物のマッチングの方が簡単です。
実物→絵→線図のような難易度順ではないかと思います。
ここでは絵のマッチングを例として進めていきます。
マッチングの進め方として
子どもの目の前に複数の絵カードを並べておきます。
大人が対象となる見本の絵カードを見せて、子どもに同じカードを選んでもらいます。
※並べる絵カードの枚数が多いほど、子どもにとって刺激量を多く感じ取り難易度が難しく感じます。
子どもの方はそれに対して絵カードを指さしても良いし、大人に手渡すということも良いかと思います。
同じものを合わせるという意味では、箱の中に同じもの入れるという方略も面白いです。
異なる絵のマッチング
同じ絵のマッチングでは全く同じものの絵のマッチングから始めますが、少しずつ異なる絵同士のマッチングを始めていきましょう。
”みかん”という絵カードと言ってもたくさんの絵があります。みかん全体が映っている絵、みかんの断面的な絵、色や模様が異なる絵など様々。
子どもにとって”みかん”という果物のことをどこまで知っているのか。
「みかんと言ったらオレンジ色」「みかんと言ったら皮の付いているもの」などこれを知っていないと見本となる”みかん”のカードを見てもマッチングすることが出来ません。
子ども本人が”みかん”をどのように捉えているのか。
親しみのない絵になるほど難しくなってしまいます。
そのため、始めは提示する見本の絵カードとかけ離れていない絵柄のカードから始めると良いかと思います。
カテゴリー分けのマッチング
カテゴリー分けのマッチングはそれぞれの属性に合った絵カードをマッチングしてもらいます。
果物や乗り物、生活道具などの中から正しいものを選んでもらいます。
この段階ではそれぞれのことばがどの種類に属しているのか理解できている必要があります。
乗り物という種類であれば、車だけでなく船や飛行機などのカードを交えるとことばの種類をより明確に整理することが出来ます。
※同じ名称のカードでも色や形、大きさ等の属性の違いでマッチングを行うことも色や形、大小の理解を促すことに役立てることが出来ます。
例)
色→赤い車、青い車。
形→四角い車、丸い車
大小→大きい車、小さい車
マッチングの応用編
絵カードや写真を用いたマッチングは視覚情報を手がかりとしたものです。私たちの生活は視覚情報のみで成り立っている訳ではありません。
視覚情報に加え、音声情報(聴覚情報)も織り交ぜながら生活しています。
会話だけでなく、私たちの生活で必要となることは歩くこと、食べること等も必要となるかと思います。
これらの能力は全て真似することから始まります。
逆に考えると人がいるから真似することが出来ます。
真似するということは声の真似、動作の真似、使い方の真似等たくさんの真似がありますが、これこそマッチングという考えに結びついていきます。
例えば、音声模倣というのは同じ音(またはことば)を真似するというもの。→すなわちこれは音声と音声のマッチングに類似するものであるのではないでしょうか。
絵カードを使ったことばの練習として「みかん」と言ったらみかんの絵カードを選んでもらうという方法が使われます。
これをマッチングに当てはめると、音声と絵のマッチングのように捉えることもできます。
ひらがなに興味を持ち始めると「みかん」に対してひらがなを選んでもらうということも練習していきます。ひらがなの基本は一文字一音対応ということ。文字と音が互いに関連し合っていることを学習するために音声と文字(または文字と絵)のマッチングということが出来るという能力が求められてきます。
まとめ
マッチングというものは生活上に必要となるやりとりの土台となるもの。
視覚情報だけでなく音声情報(聴覚情報)も交えたもの等、マッチングの方法は多岐に渡って考えられます。
一見してことばの発達の初期段階のみのマッチングが使われると思われがちですが、実は初期段階に留まらず生涯学習においてマッチングというものは必要不可欠なものです。
まずは全く同じものマッチングのように簡単なものから始めていきましょう。そして少しずつ色や形、大小を変えてみたりカテゴリーの幅を広げてみたり…使い方の組み合わせは自由自在。
子どもに負担のならないように楽しくマッチングを意識した活動・生活を送ってみてはどうでしょうか。