春を待ち望むころ
「早春」という言葉が、この時期になると聞こえてくる。
春の初めの頃、のことらしい。
他の季節では、この字を使った言葉を聞かない氣がする。
「早夏」や「早秋」など。
夏や秋には、初夏、初秋、初冬などが「その季節の初め」を表す言葉になるのだろう。
この「早春」という言葉からも、人は「春」を待ち望む氣持ちがとても強いのだろうということが窺える。
「春」にまつわる言葉は、春が始まる前から使われ、そして春が終わる頃にも「惜春」という言葉が使われる。
「春」を待ち望み、そして「春」を惜しむ。
「春」を感じている時間が、とても長いのだと感じる。
(ちなみに、「惜秋」という言葉もあるけれど、夏や冬にはない)
そして七十二候では、今年の今日「2月17日」は
「魚上氷(うおこおりをいずる)」
氷が解け始めた場所から魚が顔を出し始めるころ
という感じだろうか。
こんな言葉からも「春よ来い」と待ち望む氣持ちが伝わってくる。