『だめをだいじょぶにしていく日々だよ』きくちゆみこさん|読書ノート
なんてやさしいタイトルなんだろう。
先日、三軒茶屋の本屋twililightさんに訪れて、無事おうちへ迎えることができた。
アナログの本の手ざわりや、区切りや限りがある感じは、まさにbe here nowな安心があってほっとする。
この本が、「いま手元に置いておきたい本のはずだ」と、私にとってぼんやりと光ってみえた理由はなんとなくわかっている。
だいじょぶが、次々と、だめに変わっていくような日々の途上にいる、からだ。
その核にある出来事は、現在進行形の痛みや傷つきをともなって私の中にある。
それについて、今すぐにだいじょぶになれるとは思えないし、思わないほうがいいだろう。
ただ、きくちさんの本をつらつらと読んでいて思った。
これまでに出会ってきたものの欠片を、今の私が振り返って書くことならできそうだし、してみたい。
そしてまた、周辺からじわりじわりと、だめをだいじょぶにしていけるかもしれない。
そんなふわふわとした予感も胸に広がった。
(今思えば、突発的にnoteをはじめたり、文フリに憧れたりしたのは、無意識のうちにこの気持ちの種が発芽していた・・・のかな?)
私には、出来事ベースの日記というよりも、そのときの気持ちや思考を深く深くめぐらせる、パーソナルなノートを今までも書きためてきていた。
だめに侵食されていきそうになるたびに、だいじょぶを思い出す手助けをしてくれた。
そういうテキストは、自分だけのお守りだったり、カタルシスだったり、自己完結するものだと思っていた。
でも、きくちさんがこの本を通じてだめをだいじょぶにしていく日々をシェアしてくれて、ちょっぴり感化される私がいたように。
安心な範囲で、もうすこし外の世界にひらいてみてもいいのかもしれないなあ、なんて思えた。
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