たんぱく質のおはなし②
こんにちは。
管理栄養士の水流 琴音(つることね)です🌷
今日は「たんぱく質のおはなし①」の続きを書いていきたいと思います。
前回、たんぱく質はアミノ酸から成り立っているというおはなしをしました。
このアミノ酸には、点数がついているということをご存じですか?
1.アミノ酸スコアとは
たんぱく質は、アミノ酸まで分解されますが、食品によって含まれているアミノ酸はそれぞれ異なります。
そこで、アミノ酸がその食品にどれくらい含まれているかを数値化したものを「アミノ酸スコア」といいます。
アミノ酸スコアが高い食品ほど、アミノ酸をバランスよく含んでいるということになり、良質なたんぱく質であるといえます。100に近い数値であるほど理想的です。
2.アミノ酸スコアの決まり
各食品に含まれる必須アミノ酸のスコアは、最もスコアの低いアミノ酸によって決まります。
穀類のたんぱく質を例に説明します。
🍙精白米のアミノ酸スコア「61」
🍞パンのアミノ酸スコア「44」
参考:厚生労働省 特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム(https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03k-04.pdf)
ごはんやパンなどの穀類は、必須アミノ酸の「リジン」が不足しがちです。
例えば、精白米の必須アミノ酸のうち、リジンが61点だと、他のアミノ酸はリジンに働きが制限されてしまいます。よって、精白米のアミノ酸スコアは61となるのです。
このように、一番スコアの低いアミノ酸によって他のアミノ酸が制限されるため、その食品中の一番低いスコアのアミノ酸を「第一制限アミノ酸」といいます。精白米の場合は、リジンが第一制限アミノ酸、ということですね。
制限アミノ酸の考え方に、ドべネックの「桶の理論」という概念があります。
必要とされる栄養素のうち、与えられた量の最も少ないものにのみ影響されるとする説です。
この理論は、必須アミノ酸を桶に例えています。
桶は何枚もの板を合わせて作られていますが、桶に水を溜める場合、どんなに水を入れても一番短い板のところまでしか水は溜まりません…。
この短い板が制限アミノ酸で、その食品のアミノ酸スコアとなります。
3.食品のアミノ酸スコアの例
どんな食品が何点のスコアなのか?
食品中のアミノ酸スコアをまとめてみました。
精白米 61 卵 100
玄米 64 牛乳 100
パン 44 大豆 100
牛肉 100 ほうれん草 50
豚肉 100 ブロッコリー 80
アジ 100 にんじん 55
いわし 100 トマト 48
食品によって異なりますが、肉や魚などのたんぱく質は高い点数の食品が多いですね。
4.たんぱく質の摂り方のポイント
アミノ酸スコアが低いものもありますが、決してそれが質の悪い食品というわけではありません。低い食品は、アミノ酸スコアが高い食品と組み合わせて摂ることがおすすめです。
例えば、玄米おにぎり+鮭を混ぜてみる、ゆで卵や冷奴を1品プラスする。
パン+豆乳をプラスする、サラダには大豆やツナをトッピングしてみる。缶詰だとお手軽ですね。
+たんぱく質を意識して摂るようにすると、アミノ酸スコアも高くなります。アミノ酸スコアは、質の良いたんぱく源を知ることができる数値です。
食事のバランスを考えるときは、アミノ酸スコアが高くなるように配慮してみるのはいかがでしょうか?
そうすると、栄養バランスがぐんとアップしますよ。
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