2024 開成中学入試(残り)
先日、2024年度の開成中学の入試問題の冒頭の問題を解いてみたわけですが、その後の問題をみたところ、ミョウチキリンな「〇〇算」とかではなく、数学的な解法でやれることが分かりました。つまり開成中学に受かりたければ、数学をやっておけばいいということです。
西の雄である灘中学の問題もみましたが、開成中学に比べて保守的な「見え方」はしますが、数学的なアプローチを排除しないものだと分かります。
円周率を3.14とするということは「お約束」のようですが、優秀な児童ならπの概念を理解できるでしょうし、それを円滑に用いるための数式の数学的記法を導入した方がいい。私が指導者ならその方法で教えて、お付き合いで最後の最後でπに3.14を代入して近似値を答えろ、とかやりそうですね。
今の先端研究で必要なのは計算力ではないでしょうa×10^n(0≦a<10)という表現でいえばaよりもnの方が重要で、nを適切に見積もれることの方がはるかに大切だと思う。aの間違いは1万円と1万1千円の間違い(それも生活者としては重要かもしれませんが…)、nの間違いは1万円と1億円の間違いと言ってもいいでしょう。
中1ですぐやるんだから、小6でも出来るんじゃない?なぜやらないのか?と思うのです。厳しい言い方をしますが、それができない程度の資質なら最初から開成とか灘とか目指すというのはオコガマシイのではないでしょうか。
主要駅の駅前で競争(狂騒)曲を繰り広げているSだのNだのWだのYだの、…といった進学塾の方々はこの事実をどう見ているのだろうか?数学を封印して「算数」に拘る必要全くないし、解法を書く欄で数学使って解くことに対して問題視するような中学は通うに値しないので廃業に追い込めばよいだけのことではないでしょうか。
私が言いたいのは知的好奇心が旺盛な時期に型にはまった思考法を押し付けて、資質の高い児童を誤った方向に誘導するのはやめろということです。また、クラス編成や席順などで競争心を煽ることも異様です。保護者もそれに踊らされている節があります。ママ友と思しき女性の会話が聴こえてきて、どうやら子供のクラスについてマウントとってる方のご発言とかだったりするんです。聴いている方のご心中を思うとこちらも胸が痛くなります。間違った教育ビジネスは滅びてほしい。
みんなやりたいことをやればよい。STEM教育に上手く乗っかれる児童は沢山いると思います。
中学受験対策をやってる時間と労力をSTEM教育に振り向ければ、いや、そうしなければこの国の未来は明るいものにならないでしょう。