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2025灘中学第一日目算数ーLASTー

様々なことを同時進行で進めているということを言い訳にして、なかなか解答データを作成することができずにいましたが、やっと今日で一区切りつきました。

60°の角が4つ集まる『立体角(ツノ)』に着目して投影図から考えてみました。

私のように図が下手な者にとって、この展開図がどのような図形を表しているのかを考えるのにスケッチなどしようものなら大変なことになってしまいます。そこで、今まで何度も論じてきましたように、「次元を落と」して紙の上で考えるという策に出るしかありません。斜線がついていない四角形はひし形ですので、ひし形4つの60°の角がくっ付くような立体角(ツノ)を眺めることにしました。解答例中では、上と下と決めて書いてしまっていますが、ここでもそれにならって、注目している立体角がガチで見える上方からみた図を考えてみると、頂点にあつまる4つの角は60°という角度は保存されません。360°を4等分することになるので、直角にみえる筈です。そして、ひし形は平行四辺形のレアケースなのですが、対辺が平行であるという情報は投影図でも保存されます。平行四辺形の1つの内角が直角であることでこんどはその四角形が長方形であるといえることになり、ここでは図形の対称性を考慮すると単なる長方形ではなく正方形ではないかというところまで考察できるでしょう。なので、題意の図形を上方からみると田んぼの田の字のように見えるのではないかと考えられます。
では、正面からみるとどうみえるでしょうか。さきほど注目した立体角に集まるひし形どうしで共有していない辺は斜線の正方形と共有する辺となります。なので、ど真ん中に正方形があり、ひし形(投影図では平行四辺形)に挟まれた感じに見えると考えられるのではないでしょうか。そして上の部分に「ツノ」がくっ付いているように、下の部分にも「ツノ」ができることは展開図から分かります。
この投影図を描いてみると、何か既視感のある図形が思いつきます。それは、立方体から各辺の中点を含む平面で切り取ってできる8つの三角錐を取り除いてできる立体です。実際、上と下に飛び出している部分を切り取るとそのような立体になります。この段階で文字式に持ち込んで答えを得ることが可能であるといえます。立方体の1辺の長さを適当な文字(2aとしましょうか)でおくと、図2の四角錘の底面積は立方体の一つの面の面積4a^2の半分の2a^2、高さも立方体の一辺の長さの半分になるのでaとなり、その体積は、(2a^3)/3。これが飛び出している部分の体積でもあります。飛び出している部分を取り除いた立体の体積は、立方体の体積8a^3から8つの三角錐(底面積a^2/2、高さaより体積a^3/6)の体積を引けば求まるので、
8a^3ー(a^3/6)×8=20a^3/3
なので題意の立体の体積は、20a^3/3+ (2a^3)/3×2 = 8a^3
よって、8a^3/{(2a^3)/3} =12 (倍)
とも解答できますが、題意の立体の体積が8a^3になるという辺りで、「これは立方体の体積ではないか!!」と気付かれた方もいると思います。
この点について私は、 文字式で議論する以前に、この立体について検討している段階で気付きました。突き出ている部分を4等分すると立方体から切り取った三角錐の部分に充当することができるので、上を4等分と、下を4等分してできるトータル8個の三角錐を充当すれば立方体が完成するというカラクリになっているということです。解答例ではこの気付きを元に、底面積と高さの倍率を考えて解答を得ています。図2の底面積が立方体の一つの面の面積の半分になっていることや高さも立方体の一辺の半分になっていることはは、正面から見た投影図をご覧頂ければわかると思いますので、煩く記述することはやりませんでした。
ただし、とんでもない勘違いをしている可能性もありますので、私の妄想に基づく解答でしたら平にご容赦願います。ただ、この問題も空間座標やら空間ベクトルやらを使えばもっと確信をもって解けるということだけは申し上げておこうと思います。

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