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宵待草の鉄媒染


「待てど暮らせど 来ぬ人を 宵待草の やるせなさ」

竹久夢二の有名な詩でもある、ヨイマチグサ。花言葉は無言の愛。夕方から翌朝までしか咲かない花を見て、実ることなく終わったひと夏の恋を表現しているそうです。

初夏から黄色の花が咲きます。雑草として草刈りで刈られてしまいますね。これは田舎で暮らしている方には共感頂けると思いますが、花を残して草刈りをされる方もいます。野の花も大切に想うのでしょうか。今回はそんな残して頂いた宵待草で染めました。

鉄媒染で染めると紫がかった灰色になるとのこと。今回は味噌を作る時に使う鍋の錆を使います。薪は冬のお仕事で割ったものです。



北米の先住民たちの間では「王の万能薬」とも呼ばれ、古くから薬草として重宝されていました。γ-リノレン酸には免疫力をアップする働きがあり、新陳代謝を活発にして、乾癬やアトピー性皮膚炎、傷などを改善し、美肌効果も期待できるとのこと。

なぜ紫が出るのでしょうか。不思議です。日本は冠位十二階が制定され、紫色は高貴なお色味であったことは誰もが知っていると思います。私は小物をコーディネートする時、紫がかった色を選ぶことが多いです。

白い帆布のお草履も、坪だけ藤色にしました。帯揚げ、帯締も。迷ったときはパーポーです。女性らしさを引き出してくれると思います。大事にしたい季節感も、品位のある着こなしにまとめてくれます。


恋多き竹久夢二が、草木染のことを知ったらまた違う言葉が綴られたのでしょうか。。。

夏の終わりに夢二の世界に憧れ、アンティークな着こなしにも挑戦してみようと思っています。


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