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防災ボトルに詰めるもの。

あらゆることを常に不安に感じながら生きている。
子供たちが今日も無事に帰ってきてくれるかを、実は毎日とても心配している。
世の中に溢れる悲しいニュースを見るたび胸に大雨が降り、必ず「これがもし、うちの子供たちだったら…」と想像しては勝手に思考が暗闇に落ちていく。
私のそんな気質を一番近くで見ている夫は、もうお前はニュース見るな!と禁止令を出してくる始末。最近は暗いニュースを目にした瞬間に、さっとスマホを取り上げられる。「あれ、いま何か読んでた気がするんだけど…」と問うと「気のせいだよ」とスマホ画面をパズドラにしてから返却される。そうか、気のせいだったか。パズドラやろっと。

そんな私なので、この夏に南海トラフ地震臨時情報が出た時はもう気が気じゃない日々を過ごした。
100%地震がくると信じ込んで、家の中の防災用品をひっくり返して今か今かと備えていた。
いかに日頃から備えていないかを思い知らされる。

家の中の防災用品がある程度出揃ったところで、心配性の私が次に準備しようと決めたのは家族全員に持たせる防災ボトルだった。
防災ボトル。
SNSなどで散々見たことはあったけれど、作ろうとまでは思わなかった。
しかし家族全員が自宅にいる時に被災するとは限らない。
子供たちが電車に乗ってる時。公園で遊んでる時。一人で歩いている時。もし地震が来たら。
そんな想像をしたら、もうとめどなく心臓がばくばくする。
よし。作ろう。少しでも安全に過ごす確率が上がるように、みんなに持たせる防災ボトルを。

休みの日に100円ショップへ行くと、今まで気づかなかったけれど防災用品はかなりの種類が売られていた。

私が100円ショップで購入したのは下記の商品。
⚫︎ボトル本体
⚫︎小さい懐中電灯
⚫︎乾電池
⚫︎ホイッスル
⚫︎小さいジップ付きビニール袋
⚫︎水で濡らすと膨らむタオル
⚫︎超小型ウェットティッシュ
⚫︎小型扇子
⚫︎体を拭くタオル(使い捨て)

ここに、下記のものを追加。
⚫︎現金
⚫︎連絡先を書いた紙
⚫︎キャラメル、塩分補給飴
⚫︎簡易トイレ

作ったのが暑い時期なので体を拭くタオルはスーッとするものにしたけれど、冬は普通のものに変えたい。扇子よりもカイロの方がいいだろうし、季節ごとの見直しも大事だ。
しかし、4人分作るのはなかなか骨が折れた。
あれもこれも詰めたいけれど、500mlのボトルは無限ではない。どう詰めれば少しでも多く入るのか、ネットで調べながら可能な限りぎゅんぎゅんにグッズを詰めてやる。
持ち歩くとそこそこ重たい。が、これがいつか役に立つかもしれないのだ。できれば役に立たないまま終わってほしいけれど。

せっかく持ち歩いているので、中のものが使いたい時は普通に取り出して使用している。体を拭くタオルは何度か使って詰め直したし、扇子も暑い街中で何度か役立ってくれた。ローリングストックというほどじゃないが、使いながら補充していくスタイルもいい。

そういえば、作り終えたことで満足感を得た私はあれから防災用品を見に行っていない。
時々お店に行って、どんなものがあるかを確認したり、ボトルに詰めている乾電池がまだ生きているか確認したりする癖をつけねば。

ボトルの中にはいつも抱える不安な気持ちではなく、祈りのような願いのような、万が一の時に家族を支えてくれる前向きな力のようなものが一緒に詰まっていたらいいな、と思う。

持つとまあまあ重たい

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