巻11巻頭歌:『其処の人』

新室の 
壁草刈りに 
いましたまはね
草のごと 
寄りあふ娘子は 
君がまにまに

「万葉集」巻⑪・2351


『其処の人』

其処の人、其処の人

遠巻きに見てないで
新しく建てる家の
脇に生える草を
刈りにおいでなさいな

そよ風に吹かれた
草のように優しく
貴方になびいてくる乙女には
どうぞ、思いのまま
心も身体も通わせてください

私たちは口出ししませんから…


《巻11概要》
「古今相聞往来歌」の上巻として、巻12との姉妹巻となっている。
巻11に比べて古い歌が多い。
相聞歌、挽歌などを収め、2首1組の「問答歌」や旋頭歌を収める。


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