巻8巻頭歌:『春の喜び』

石走る 
垂水の上の 
さわらびの 
萌え出づる春に 
なりにけるかも

「万葉集」巻⑧・1418 
志貴皇子


『春の喜び』

岩に当たり
柔らかな光を受けながら
清らかな雪解け水が
右へ左へ走りゆく
山奥の小さな滝

その上の斜面で
若緑の蕨が
芽吹く春になったのだな

生きとし生けるものの活力が
充満する
暖かな春になったのだな


《巻8概要》
春夏秋冬に四季分類され、それぞれ「雑歌」と「相聞」に分けられている。
基本的に作者が分かる歌を収める。


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