巻20巻頭歌:『心遣い』

あしひきの
山行きしかば
山人の
朕に得しめし
山づとそこれ

(「万葉集」巻⑳・4293)
元正天皇


『心遣い』

険しい山を行けば
山に住む 
その土地の人が
私のためと
木の枝で作った杖を
お土産にくれた

歩き慣れない
私の事を
気遣ってのことだろう

土産はもちろんだが
その心遣いこそが
私には嬉しかった



《巻20概要》
万葉集の最終巻。
この巻には東国から兵役にかりだされた
「防人の歌」が収められている。
最後の歌は大伴家持が因幡国守(今の鳥取県知事)として、正月に良い事が重なるようにと読んだ歌。(4516番歌)

この歌をもって万葉集は閉じられる。


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