武庫の浦の
入江の渚鳥
羽ぐくもる
君を離れて
恋に死ぬべし
(「万葉集」巻⑮・3578)
『君と離れる時』
武庫(むこ)の浦の
入り江の渚に住む鳥が
その大きな羽で
優しく雛を包み込むように
その腕で
大事に大事に
私を優しく包み込んでくれた
貴方が
海外に行ってしまうなんて…
こんなにも大好きなに
こんな離れ方をすると
切なさと恋しさで
私、死んでしまいそう…
《巻15概要》
部立がなく、前半に遣新羅使の歌、後半に中臣宅守と狭野茅野娘子との贈答歌を収める特異な巻。
一説には、万葉集は、この15巻で一度成立したとされている。
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