万葉集翻案詩:『雲を眺めて』

面形の 忘れむしだは 大野ろに たなびく雲を 見つつ偲む
(巻⑭・3520)


『雲を眺めて』

長い間、逢えないと
あなたの顔を
忘れかける時がある

そんな時は
広い野原に来て
大空にたなびく
雲を眺めて
物思いにふける

そして、
顔形がそっくりな
白い雲を探して
あなたの事を想うの

そうすれば
少しだけ心が落ち着くから…

ゆったり流れる時の中で
綴じられた恋の景色の
ひとつひとつを
ゆっくりめくりながら
今まで大切に育ててきた恋を
胸の中で大事に温めてみる

いつか、
あなたに逢える日を
待ちわびながら…

#万葉集 #詩 #万葉集翻案詩

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