巻10巻頭歌:『霞から朧へ』

ひさかたの 
天の香具山 
この夕 
霞たなびく 
春立つらしも

「万葉集」巻⑩・1812


『霞から朧へ』

神々しく鎮座する
夕暮れ近い
天の香具山に
今、霞が棚引いている

その様は
天女が羽衣をまとうようで
美しい…

霞から朧へと
名前が移り変わる時
流れる風の片隅で
私は春を感じていた


《巻10概要》
巻8と同じく四季分類されて「雑歌」「相聞」に分けられる。
こちらは作者未詳歌を収める。
七夕の歌を多く収めるのも特徴。
収録歌の数が539首と万葉集最多の巻。


#万葉集 #詩 #万葉集翻案詩

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