闇ならば うべも来まさじ 梅の花 咲ける月夜に 出でまさじとや
(巻⑧・1452 紀女郎)
『白い夜』
何も見えない闇夜なら
あなたがおいでにならないのも
分からないでもありません
だけど、今夜は
真っ白な
雪と梅と円い月が
辺りを明るく照らす夜
私の家までの道は
良く見えるでしょ?
それなのに、あなたは
おいでにならないと
おっしゃるのですか?
花と月を私一人に愛でさせるなんて
あなたはそんなにも
風流を知らない男でしたっけ?
ここに来て
私と一緒に
純白の梅と月を見ましょうよ
そして、
白い夜のその中で
私を温めてくださいな
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