「食とからだを巡る冒険」滞在記録⑤ 〜王滝村にて〜
王滝村は、長野県の南西部に位置し西側は岐阜県と隣接する、霊峰 御嶽山の麓にある人口約700人の村。
今年から村の地域おこし協力隊として活躍している画家の近藤太郎さん。滞在先となる「Tsunehachi常八-Farm stays & 大衆酒Bar」を運営する合同会社Rext滝越 倉橋孝四郎さん、杉野明日香さん。皆様のご協力のもとに、村内で「食」に関するリサーチの機会を得ることができた。
孝四郎さんと明日香さんから聞いた、王滝村での暮らしと食まわりについてお話、非常に興味深かった。
自然と共にある村の暮らしの中では、「食」も自然のサイクルと常にシンクロしている。「食」を通じて自然を感じるし、意識もする。飾らないごく当たり前のことだからこそ、ずっと残り続けている郷土の食文化が王滝にはたくさんあることを知った。
6月4日に役場で行われた、唄と踊りの会「思い葉の抄vol.1チョイナ節」に参加させていただいた。
お祭りの後で、酔っ払いの大人たちに混ざり見よう見まねで踊っていたという当時の子どもたち。そんな村民の皆様から、当時を振り返る貴重なお話を伺った。
録音テープが流れ出したそばから、脚が自然と動き出し、唄い始める皆様。
それぞれの身体には、チョイナ節の”踊り”と”リズム”がしっかり沁みついていて、一瞬でみんながダンサーに。
飛び入り参加の私でさえも、踊りの輪の中に入ってしまうと、その一体感に自然と飲み込まれ身を預けてしまえる。踊りにはそういった不思議な力があるということを改めて知る。
その後、太郎さんの提案のもとにみんなで新しいチョイナ節の歌詞を考えて踊ってみようという展開に。
長い間人々の心の中に残り続けてきた文化と新しい隕石のようなエネルギーが出会い、調和した瞬間を目撃してしまったのでした。