りそなグループB.LEAGUE2024-25 SEASON開幕節京都ハンナリーズVS佐賀バルーナーズの個人的な見どころ
待ちに待った新シーズンの開幕です。昨季は広島ドラゴンフライズがワイルドカードからCSに進出し、そして初の栄冠に輝きました
何が起こるか分からない。近年のバスケットボールの発展や盛り上がりと同じように、各チームポテンシャルに満ち溢れています
開幕戦ホームで戦う京都ハンナリーズは昨季思い描いた戦績ではなかったかもしれません。それでも多くの方がアリーナに足を運び、声援を送り、間違いなく京都の街にバスケットボール文化を根付かせつつあります
今季高みを目指すのは"結果”と新たな歴史です
そして佐賀バルーナーズは昨季B2昇格からの初年度で29勝31敗と、昇格初年度で最多勝利という歴史を刻みました
SAGAアリーナでの熱狂は、間違いなく佐賀に新たな風を吹かせました
昨年は先出し開幕として前年王者琉球と戦った佐賀は、今季は京都に乗り込んでの開幕戦を迎えます
京都は昨季の開幕は前年にCSに進出した横浜ビー・コルセアーズを迎えた一戦でした。京都にとっては3年続けてのホーム開幕戦になります
お互いに昨季は開幕戦では敗戦。今季はどんな結果になるか?
シーズンを占う大事な初戦。好ゲームに期待しましょう!
解説:元安陽一さん 実況:能政夕介
※資料は加執・修正の可能性があります
両チームの昨季について(2023-24シーズン)
京都ハンナリーズ【平均77.3得点(リーグ15位)平均84.6失点(リーグ22位)】17勝43敗で西地区8位
ロイラナ体制の2季目は期待でスタートしたシーズンだった
岡田侑大(信州から加入)
前田悟(川崎から加入)
澁田怜音(新潟から加入)
チャールズ・ジャクソン(横浜から加入)
ラシード ファラーズ(千葉から加入)
ケビン・ジョーンズ(SR渋谷から加入)
半澤凌太(三遠から加入)
鈴木悠介(山形から加入)
ステイシー・デイヴィス(NBA G Leagueから加入)
シェック・ディアロ(NBA復帰から再加入)11月にリリースあり12月の島根戦で復帰
水野、小西、青木、ライトの4人が継続だったがメンバーを刷新して高みを目指したシーズンだった
ただ、結果は西地区8位と、この結果だけ見れば難しいシーズンとなった
一昨年課題だったリバウンドの数値は改善(36.9→38.5)されたものの、それ以外のスタッツ部分は微減となった
特に失点数は多くなり、攻守の部分で嚙み合わない試合も多かった
若さが特徴のチームだった故に、悪い流れを断ち切る事の難しさを感じたシーズンだった
ただ、その中でもインサイドを制圧し、チームを盛り上げたチャールズジャクソンや、圧倒的なオフェンス力を誇る岡田、攻守でエナジーを見せた水野に、守備で流れをつくった小西など素晴らしいプレーも多く見せた
インサイドでは強さもあり2Pを20.3/38.8の52.2%と成功数はリーグ9位、成功率はリーグ12位だった。OR後の得点も12.2得点でリーグ10位とリバウンドについては一定の成果を出した
また、ファウルの数は1試合平均16.6回でリーグ2番目に少ない水準だったものの、DFに関するスタッツはスティール平均5.7回で22位、TOは平均13.5回で19位だった
試合のコントロール、若い選手の伸びしろと期待値を残す中で、今季もまた変化と進化に注目したい
昨季は開幕5連敗を喫した中で、立て直しの難しさを感じたシーズンでもあった
だからこそ今季はスタートからの勝利に拘り、勝ち切る流れをシーズン序盤から生んでいきたい
佐賀バルーナーズ【平均75.4得点(リーグ19位)平均75.1失点(リーグ6位)】29勝31敗で西地区5位
2019-20シーズンにB3に参入。そこから佐賀は地道に積み上げを行ってきた
2020-21シーズンから昇格したB2では3位でPO進出を逃し、翌年はPOで敗れて昇格ならず
ただ、2022-23シーズンはB2で優勝を果たしB1昇格を手にした
そして迎えた初のB1という舞台。2023年5月13日はSAGAアリーナも開業し、素晴らしいアリーナと共に、B1初年度は勝ち越しとはならずも29勝31敗で、昇格初年度で歴代最多の勝利数を記録した
上々の結果だった昨季だった。B1経験のあるプレイヤーが決して多くいたわけではない。それでもチーム力で見せた粘り強さで勝利と自信を積み重ねた
失点数はリーグ6番目に少ない平均75.1失点。爆発的な得点力があったわけではないが、しっかりと個人が遂行力を見せて戦い、勝利を重ねた
3Pも試投数は決して多くないが、成功率はリーグ5番目に34.4%(9.4/27.3)
攻撃面では3Pが持ち味の一方でFTは1試合平均18.1回と試投数は多いが、成功率は62.8%とリーグ最小の成功率となっている
一方で守備的なスタッツは素晴らしいの一言だ
スティール平均は7.4回でリーグ4位、リバウンドトータルではそこまで平均値は高くないが、DRは1試合平均27.2回でリーグ5位、ブロック数の平均も3.1回とリーグ3位を記録するなど高い水準のプレーを見せている
相手のTOからや、速攻で得点を奪えているのも良い守備からの結果と言える
遂行力のあるレイナルド・カルシア、チェイス・フィーラー、ヨーリ・チャイルズといった外国籍プレーヤーに、帰化選手としてリバウント、3Pが持ち味のジョシュハレルソン
何よりチームを引っ張るのは角田大輝。昨季は1試合を除く59試合でスターティング5で出場。今季も角田の活躍と更なる成長に期待がかかる
天皇杯の3連戦では2勝後、3戦目の三遠ネオフェニックスに悔しい敗戦
それでもガルシアの突破や、ヨーリ・チャイルズのFT改善など既存の良さや新たな変化も見られた
一方でアグレッシブな三遠の守備に少し苦しむ時間帯もあっただけに、その部分も含めた修正をどのように施してくるのか楽しみにしたい
両チームのメンバー編成
■HC
ロイ・ラナ(3季目)
■継続選手(7名が残留)
水野幹太
小西聖也
チャールズ・ジャクソン
前田悟
ラシードファラーズ
澁田怜音
岡田侑大
■新加入
川嶋勇人(FE名古屋から加入)
古川孝敏(秋田ノーザンハピネッツから加入)
アンジェロ・カロイアロ(大阪エヴェッサから加入)
エドワード・モリス(島根スサノオマジックから加入)
小野龍猛(富山グラウジーズから加入)
岡部雅大(法政大学から加入)※特別指定選手のプロ契約
ジョーダン・ヒース(川崎ブレイブサンダースから加入)
■移籍
半澤凌太(仙台89ERSへ移籍)
青木龍史(愛媛オレンジバイキングスへ移籍)
シェック・ディアロ(オソス・デ・マナティ/プエルトリコへ移籍)
マシュー・ライト(川崎ブレイブサンダースへ移籍)
ケビン・ジョーンズ(サンロッカーズ渋谷へ移籍)
鈴木悠介(レバンガ北海道へ移籍)
■自由交渉リスト
ダラル・ウィリスジュニア(シーズン後契約発表も契約解除に)
一昨年の4人継続から、今季はより継続を見せる7人が継続
特にチャールズジャクソンや岡田、負傷はあったがポテンシャルの高さを見せてくれた前田に、若い小西、水野、澁田、ラシードファラーズと期待感も滲む
そして補強は昨季試合の流れを変える事に苦しんだ中で「経験」という側面から古川、小野、川嶋と実績十分の選手を集めた
また、ユーティリティープレーヤーのアンジェロ・カロイアロ、帰化選手としてエドワードモリス、急遽の加入となったジョーダンヒースが加入した
チームをつくっていく段階も、経験ある選手が入る事で、そのフィットや理解はより早く昨季より進んでいくかもしれない
佐賀バルーナーズ
■HC
宮永雄太(4季目)
■継続選手(ほぼ残留)
岸田篤生
角田太輝
狩野祐介
満原優樹
井上諒汰
相原アレクサンダー学
ジョシュ・ハレルソン(帰化選手)
チェイス・フィーラー
ヨーリ・チャイルズ
レイナルド・ガルシア
中西佑介※練習生として残留
■新加入
山下泰弘(島根スサノオマジックから期限付移籍で加入)継続して加入
金丸晃輔(三遠ネオフェニックスから加入)
■移籍
德川慎之介(東京ユナイテッドBCへ期限付移籍)
葛原大智(富山グラウジーズへ移籍)
一方の佐賀は宮永雄太HCと継続路線でチームを育て上げる
昨季西地区5位と新アリーナ、昇格組の中でも最多勝利を記録した
主力はほぼ残留し、昨季と継続して山下が期限つきでプレー、そして金丸が九州に帰還した
昨季の積み上げをより図りながらも高みを目指す。ウィング選手での得点能力は金丸の補強で高くなるはず。だからこそ、持ち前の堅守と、アウトサイド、インサイドアタックを効果的に組立てて、佐賀らしい攻守にアグレッシブなプレーを今季も継続して見せていきたい
過去の対戦成績(京都1勝 佐賀3勝)リーグのみ
昨季初のB1を戦った佐賀とは同地区で4度対戦。結果は京都の1勝、佐賀の3勝と佐賀が勝ち越したシーズンだった
佐賀 64-56 京都 2024.3.30
佐賀 81-66 京都 2024.3.31
京都 88-87 佐賀 2024.4.20
京都 52-73 佐賀 2024.4.21
それぞれのホームで印象的な試合をしたのが記憶に新しい
シーズン終盤で当たった両チームの対戦は3/30の対戦で京都は1Qで2-21でリードしたものの、2Qには24-4で逆の展開で佐賀が1点リードど折り返すという展開になった
そして4/20の京都ホームの一戦では、48-49と1点ビハインドで前半を折り返した京都が3Qで点差を離される展開に
それでも4Qにマシューライトのとんでもない3Pで31点を記録して土壇場で逆転勝利を飾る一戦となった
昨季佐賀は対京都戦4試合で平均65.5失点と堅守を見せている
各節のGAME1は接戦だったが、GAME2では佐賀が優位に試合を運んだのが昨季だった
京都はライトが37得点記録して勝利した4月20日のGAME1
岡田は対佐賀戦で4試合中3試合で2桁得点を記録し存在感を見せた
佐賀はフィーラー、ガルシア、チャイルズといった外国籍選手はコンスタントに活躍し、日本人エースの角田、そして帰化選手のハレルソンもアウトサイド好調で得点を記録する試合もあった
いずれの4試合も京都はTO数で上回り、相手のアグレッシブな守備に流れを変えられた場面もあった。そうした昨季の経験を、両チームがどのように還元していくか楽しみにしたい
個人的な見どころ
開幕戦ならではの難しさ、読めない部分も多いはず
先日の天皇杯では京都は3連戦の2戦目で名古屋ダイヤモンドドルフィンズに敗戦。佐賀は3連戦の3戦目に三遠に敗戦を喫した
プレシーズンマッチとは異なる緊迫感の中で行われた試合だったが、この部分で傾向も図る事はできる
個人的な注目点は以下の3つ
①京都は守備の安定と流れを断ち切るプレーを
昨季は守備で苦しんだ。リバウンド数は上回るも、悪い流れを断ち切れずに、自分たちの良い流れから相手に流れを持っていかれる場面もあった
今季はマシュー・ライトという爆発的な得点力ではなく、アジア特別枠から帰化選手に編成をシフト。エドワード・モリス選手がリバウンドや守備面でどれだけ改善できるかも注目したい
また、身体能力の高いジョーダンヒース選手はブロックで、そして川嶋選手はスティールで流れを切る事ができる。攻撃面だけではなく、守備面でも流れを変える事ができるのは今季の強みになるかもしれない
加えて小野選手や、古川選手はこれまで多くのチームで経験を積んで戦ってきた。難しい状況下でも、自らが引っ張るだけではなく、全員で意思統一をしながら迎う事で変化を起こしてくれるかもしれない
昨季は開幕から良い試合をしつつも勝利には届かなかった。その悔しさを胸に、今季は開幕戦で京都らしいエナジー溢れるプレーで勝利をもぎ取りたい
②持ち前の遂行力を守備強度に負けずに取り組む
昨季佐賀が躍進をしたのは間違いなくその守備力と各自の遂行力だ
エゴイスティックではなく、チーム全員で激しくタフに戦う
もちろん頼れる部分は強みを生かしつつも、B1初経験だった選手を擁する中でもしっかりフィットして勝利を重ねたシーズンだった
天皇杯の3試合では少しTOも目立ち、持ち前の守備の良さでは不安の残る部分も見せた。ただ、新しいチャレンジや、昨季積み上げた徹底力を自信にやり切る佐賀のプレーを届けていきたい
昨季は先出し開幕で琉球に肉薄した。それでも開幕4戦目にして昨季の王者広島から勝利を奪い、歴史に刻む1勝を得た
今季は開幕戦で勝利を飾り、新しい歴史の積み上げを果たしていきたい
③京都はインサイド、アウトサイドでバランスよく。佐賀は外のシュートをどのようにクリエイトするか?
今季の京都は昨季と同じくチャールズジャクソンのインサイド、そして岡田のキレのあるドライブからのクリエイトに加えて、インサイドと守備での貢献も高いジョーダンヒース、そして中も外も点を取れるアンジェロ・カロイアロや古川、小野がおり攻撃の幅は広がりそうだ
だからこそ、チームとしての矢印の向け方、徹底力とその落とし込みには期待がかかる
守備面は先ほど述べた通り、流れを変える事がいる選手がいるが、できるだけ自分たちのペースを長く続けられるような展開を見せていきたい
一方の佐賀は、昨季記録した3P成功率(リーグ5番目の34.4%(9.4/27.3))を武器に、ガルシアのアタックを起点にハレルソン、角田、金丸、狩野、井上といったアウトサイドシューターたちに気持ちよくシュートを打たせて流れをつくりたい
もちろん、そのためには昨季同様にタフで足を動かす激しい守備が重要になる。良い守備から良い攻撃へのスイッチ。それを継続して、昨季から更に得点も奪い圧倒できるチームを目指していく
Bリーグ公式からも各チームの紹介を行っている
▼京都ハンナリーズ▼
▼佐賀バルーナーズ▼
https://basket-count.com/article/detail/198446
いよいよ始まる新シーズン。10/3の群馬VS広島を皮切りに、新しい戦いに胸が躍ります。京都VS佐賀の一戦は昨季と同じく島津アリーナで開催。歴史的な戦いを、是非目に焼き付けに現地、またはバスケットLIVEでお楽しみください!