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りそなグループB.LEAGUE2024-25 SEASON第17節大阪エヴェッサ対群馬クレインサンダーズの個人的な見どころ

シーズンもいよいよ折り返し。今節が終わればオールスターがあり、そこからいよいよ後半戦がスタートします

群馬は水曜日に天皇杯で三遠ネオフェニックスと激突し大接戦の末惜敗。QFで姿を消した。そしてリーグ戦と並行して中2日でアウェイの大阪戦とタフなスケジュールの中で戦います

一方ホームで東地区2位の群馬を迎え撃つ大阪は前節京都とのダービーマッチを1勝1敗で終えました

GAME1は先手を取られたものの、GAME2はアウトサイドのシュートも決まり勝利。現在西地区3位に位置しており、CSに向けて負けられない戦いが続きます

今季もCS争いは大混戦になりそうな予感。それでも昨季からの飛躍を目指す両チームの激突。怪我なく今節も好ゲームに期待です

解説:内海慎吾さん 実況:能政夕介
※資料は加執・修正の可能性があります

両チームの今季と前節について(1/7時点)16節終了時点

大阪エヴェッサ【平均81.8得点(リーグ5位)平均80.5失点(リーグ17位)】15勝13敗で西地区3位

前節はアウェイでの京都との一戦。GAME1は追いかける展開の中最後の最後まで粘って戦った
結果は僅かに届かなかったが、GAME2に繋がるファイトを見せた
そしてGAME2はルーサー選手をはじめ外国籍選手が大活躍
日本人エース橋本は両日の躍動を見せ、GAME2は大阪が勝利を飾り西地区3位の座を守った

今季の大阪は攻守でハードワークをしてアグレッシブに戦う姿勢を見せている。昨季は外国籍選手の負傷がリーグ前半にあり、連勝と連敗を繰り返す部分もあったが、今季は着実に勝利を積み重ねここまで勝ちが先行している

得点力はリーグ5位。1試合平均のポゼッション数は73.9回でリーグ3位と速いペースで戦う展開を見せている
ファストブレイクの1試合平均は12得点でリーグ8位
OR後の得点は1試合平均13.5得点で4位、インサイドが強くペイントエリアでの得点平均が37.6得点でリーグ3位という数値が残っている

早い展開で得点を、そして外れてもリバウンドをモノにして得点を重ねる。その部分を支えるゲルン、ボンズ、ルーサーという外国籍プレーヤーたちだ

ファストブレイクの得点はボンズが多くを占めるが、OR後の得点やペイントエリアでの得点は上手く3人で割り振りができている
ここに日本人エースの橋本が前節更に覚醒。経験のある鈴木達也や新加入の牧、若いPG陣とハードワークできる陣容は揃っている

とはいえ高さでは優位性もある群馬に対して、インサイドの戦い方含めて注目していきたい

群馬クレインサンダーズ【平均78.9得点(リーグ10位)平均71.4失点(リーグ3位)】20勝8敗で東地区2位

リーグ戦では中地区の名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦
GAME1は77-80で接戦を制し7連勝。GAME2もOTにもつれる激戦で、結果は敗戦も最後まで分からない展開だった
特に絶好調なのは今季PGとしてチームを支える藤井選手だ。前節も両日2桁得点、3Pは両日3本成功。更にスティールも4試合続けて2スティール以上を記録している。天皇杯でもその勢いは止まらず17得点8アシストと勝負所大事な部分でチームにエナジーをもたらしている

水曜日の天皇杯は三遠ネオフェニックスと対戦し77-79の大接戦に
脅威のオフェンス力を持つ三遠相手に、79失点に抑え、各Qで粘りを見せた
相手のアーリーオフェンスを許さず、セットオフェンスに対してしっかりと安定した守備を見せた。アウェイかつタフな試合の中で素晴らしいクオリティを見せたように思う
藤井、ジョーンズ、ティーマン、細川が2桁得点をマーク
藤井と細川は3Pを4/9、ジョーンズも3本の3Pを決めた
特に藤井は8アシストをマークするなどチームの中心に。負傷明けの菅原も短い時間だがコートに立った

とはいえ、この連戦は選手たちのフィジカル・メンタル面でも難しさはあるはず。リーグ戦7連勝からの公式戦で連敗。ここから再び波に乗るために勝利で飾りたい一戦だ

今季の群馬は堅守に大きく変化。リーグ3番目の失点数の少なさに、攻撃も例年通り破壊力は備わっている
1試合の平均ポゼッションは大阪とは真逆で1試合平均68.5回でリーグ23位だが、各シュートの成功率は2Pが53.7%でリーグ5位、3Pは35%で3位
得点効率で考えれば群馬は非常に高い水準で遂行力を見せている

今季はスティール数も平均7回、TO数は11.8回で両数値はリーグ7位と安定ある結果を残す
直近の公式戦では少しファウルの数が伸びているものの、元々は1試合平均16.5回とリーグ2番目に少ないチームでもある
この連戦の中でメンバー編成を含めて、どんな戦いを見せるか?
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(平均ポゼッションリーグ5位)、三遠ネオフェニックス(平均ポゼッションリーグ1位)、大阪エヴェッサとハイペースなバスケを行うチームとの連戦が続く
対策と遂行ができるチームだからこそ、この連戦をしっかりと乗り越え勝利を飾りたい

両チームのメンバー編成

大阪エヴェッサ

■HC
藤田弘輝(1季目)今季から指揮

■継続選手(7名が残留)
髙木拓海
橋本拓哉
竹内譲次
合田怜
飯尾文哉
木下誠
鈴木達也

■新加入
マット・ボンズ(長崎ヴェルカから加入)
土家大輝(福島ファイヤーボンズから加入)
牧隼利(琉球ゴールデンキングスから加入)
レイ・パークスジュニア(名古屋ダイヤモンドドルフィンズから加入)
ヴォーディミル・ゲルン(仙台89ERSから加入)
ライアン・ルーサー(マニサBBSK/トルコから加入)

■移籍
アンジェロ・カロイアロ(京都ハンナリーズへ移籍)
土屋アリスター時生(秋田ノーザンハピネッツへ移籍)
多嶋朝飛(仙台89ERSへ移籍)
西川貴之(ライジングゼファー福岡へ移籍)
ショーン・ロング(蔚山現代モービスフィバス/韓国へ移籍)
イヒョンジュン(海外でプレー)
イアン・ハマー(海外でプレー)

外国籍選手が一新。そしてその面々は主力として躍動
点を取れるボンズにルーサー。体を張ってリバウンドを取れるゲルン。更に得点源として楽しそうにバスケをするレイパークスジュニア
こうした新加入選手と昨季からプレーする選手に藤田HCがエナジーを送る

チームではDOGFIGHTと表現されているが、ハードワークをしながら攻守で連動したプレーを見せる。攻守が嚙み合った時の大阪は脅威になる
まだ勝利のない群馬相手にどんな戦いを見せるか注目だ

群馬クレインサンダーズ

■HC
カイル・ミリング(1季目)今季から指揮

■継続選手(8名が残留)
コー・フリッピン
マイケル・パーカー
トレイ・ジョーンズ
八村阿蓮
辻直人
野本建吾
菅原暉
ケーレブ・ターズースキー

■新加入
細川一輝(三遠ネオフェニックスから加入)
藤井祐眞(川崎ブレイブサンダースから加入)
マシュー・アキノ(信州ブレイブウォリアーズから加入)
ヨハネス・ティーマン(アルバ・ベルリン/ドイツから加入)
淺野ケニー(専修大学在学中:プロ契約)12月16日に加入発表

■移籍
星野曹樹(仙台89ERSへ移籍)
木村圭吾(福井ブローウィンズへ移籍)
五十嵐圭(新潟アルビレックスBBへ移籍)
並里成(ファイティングイーグルス名古屋へ移籍)
ベン・ベンティル(ハポエル・テルアビブBC/イスラエルへ移籍)

シーズンが進むごとに完成度が増してくる。今季就任したカイルミリングHCの下、序盤に3連敗などはあったが、直近は7連勝と波に乗っていた
連敗こそ止まったが、それでも確実なオフェンスチョイスと、タフな守備が光る
大きく改善された失点数は、安定して勝つチームに変革を遂げている
歯車が嚙み合いだした群馬が、後半戦更なる躍動を見せるために敵地で勝利をしっかり掴みたい

両チームの縁で見れば・・
鈴木と藤井は拓殖大学の先輩後輩(鈴木が1年先輩)
鈴木と細川は京都で共にプレー(2021-22)
牧とコー・フリッピンは琉球で共にプレー(2021-23)
辻は大阪出身で洛南高校でプレー(竹内の後輩にあたる)
※淺野ケニーも洛南高校出身
牧と菅原は筑波大学で共にプレー(牧が1年先輩)
藤田HCは2013-14シーズンに群馬クレインサンダーズ アシスタントコーチ、ヘッドコーチ代行を経験。古巣対戦となる

その他にも色んな縁がコート上で見れるかもしれない。こちらにも注目したい

過去の対戦成績(群馬4勝)リーグ戦のみ

過去の対戦成績は群馬がここまで4連勝
今季初対戦。そして群馬が大阪エヴェッサのホームゲームに来るのは初となる

昨季は両日10点差以内の接戦を群馬が制した。今季在籍している選手で見れば、大阪では橋本や木下も存在感を見せた試合だった
群馬は両日トレイジョーンズが活躍。そして大鉄人のマイケルパーカーはリバウンドやスティールでも存在感。地元凱旋の辻の活躍にも注目したい

2023-24シーズン(群馬2勝)
群馬 89-80 大阪 2024.02.10
群馬 74-67 大阪 2024.02.11

2022-23シーズン(群馬2勝)
群馬 80-73 大阪 2022.11.26
群馬 90-75 大阪 2022.11.27

さて、今節達成の可能性がある記録にも触れていこう

・大阪エヴェッサ

ヴォーディミル・ゲルン:B1個人通算1,000得点まであと5点

牧隼利:B1個人通算3P150本成功まであと9本

マットボンズ
└Bリーグ通算200試合達成まであと2試合
└Bリーグ通算300スティールまであと3
※B2とB1の合算

・群馬クレインサンダーズ

藤井祐眞:B1個人通算2,000アシストまであと11

マイケルパーカー
└B1個人通算5,000得点まであと41点
└B1個人通算1,000オフェンスリバウンドまであと19
└通算15,000得点まであと44点(史上初)

細川一輝:B1個人通算3P500本成功まであと13

辻直人:通算7,000得点まであと34点

今節でどんなプレーを見れるのか注目したい。これまで選手たちが積み重ねてきた軌跡をしっかりと届けていきたい

個人的な見どころ

CS争いに向けて、オールスター前の一戦
この試合が終わればレギュラーシーズンは半分を消化となる
特に大阪は既に負け越す事はないが、勝利数が上回って折り返す事ができるか、重要な一戦になる

その中で個人的な見どころは以下の3点を挙げたい
①試合のカギを握るお互いの"テンポ"
②重要なGAME1の立ち上がり
③高さの優位性。内と外のスペース合戦

①試合のカギを握るお互いの"テンポ"
前述した通り試合のテンポは真逆の両チーム。ポゼッション数の志向が異なる(大阪がリーグ3位、群馬が23位の1試合平均のポゼッション数)
大阪は堅守の群馬に対して、自分たちのテンポでバスケットをしっかり展開できるかどうか
そのテンポが展開できるかは良い守備でのスティール、ディフェンスリバウンドでの攻守の切り替えができるかどうか
大阪ではスティール平均は1.4回でチームトップ。ディフェンスリバウンドはボンズ、ルーサー、ゲルンが1試合平均約5回を記録
もちろんスタッツ以外の部分でも鈴木や飯尾、高木、土屋のように足を使ったアグレッシブな守備もある
合田や竹内といった経験豊富な選手が負傷で難しい中でも自分たちのテンポを貫ける時間を増やしたい

逆に群馬はこれまで通りセットしたオフェンスで確実に決めきりたい
特にアウトサイドのシュートは直近の公式戦では好調
藤井は直近のリーグ戦5試合で19/45の42.2%と高水準
辻、ジョーンズ、細川とアウトサイドのシュートで点を取れるプレーヤーが揃っている
大阪と同じくディフェンスリバウンドを制して、自分たちのリズムをつくりながら主導権を握っていきたい
その中で群馬はファウルで流れを切れないよう集中していきたい
今季のリーグ戦での1試合平均のファウル数は少ないが、名古屋ダイヤモンドドルフィンズとのGAME2は27回、天皇杯では22回と平均よりも大きく上回ってしまった
激しい守備の裏返しという部分や、対戦チーム、審判の基準などコントロールできない部分もあるが、持ち前の遂行力を遺憾なく発揮していきたい

②重要なGAME1の立ち上がり
大阪にあるアドバンテージは準備の部分だ。前節から中5日で戦う中で、コンディション調整とスカウティングにはアドバンテージがある
群馬はアウェイでの連戦。名古屋ダイヤモンドドルフィンズとOTを含む2連戦、水曜日のアウェイでの天皇杯の試合、そこから中2日での連戦はタブなスケジュールとなる
群馬はある程度プレータイムのシェアを今季行いながら展開。直近の試合でもコントロールをしながら取り組んでいるものの難しさはあるはずだ

大阪は特にGAME1の立ち上がりで自分たちのバスケットを貫き優位性を持てるかどうか。逆に群馬はその中でもそこを跳ね返すリバウントメンタリティーで優位に進められるか注目したい
天皇杯では菅原の復帰という良い点と、辻がロスター外という不安要素もあった。スターティング5のラインナップも含めて何を意識しながらゲームに入っていくか楽しみにしたい

③高さの優位性。内と外のスペース合戦
ロスターの平均身長を比較すると以下の通りとなる
大阪エヴェッサ:188.8センチ
群馬クレインサンダーズ:195.1センチ
と群馬は高さでは大きく分がある(2m越えが5人在籍。大阪は3人)
リバウンドに関しては1試合平均で大阪が39.1回でリーグ5位と上回っているものの、群馬は平均ポゼッション数が少ない中でも平均37.2回(リーグ11位)を記録
もちろんこのリバウンドについても戦い方によって差が出る要素もある。そうした、お互いのオフェンスの志向性が異なる中でオフェンスリバウンドを絡めたインサイドの得点が多い大阪とディフェンスリバウンドをしっかり確保して冷静に試合を運びしっかりと点を決めきる群馬

FGの成功率では上回っている群馬に対して、大阪がどのように守備を見せるのか注目したい
インサイドにアタックできる選手も多く、そこからのキックアウトパスで外のシュートを狙えるなど攻撃の幅も広い
特に最近はティーマンがインサイドで強み、そしてバスケットIQの高さを見せるなど徐々にチームにフィットしている印象もある
攻撃の幅を広げる群馬に対して、大阪がどのような守備でオフェンスを抑えていくのか楽しみにしたいポイントの1つになる


今節が終わればリーグ戦も折り返し。オールスターが終わればいよいよ後半戦だ。例年にも増して特にワイルドカード争いが混戦になりそうな中で、東地区対西地区という構図にはなるが、勝利にこだわる熱い試合に期待したい

1番は怪我なく、楽しみつつプレーをしてくる姿を見たい。今週末の一戦楽しみにしましょう!

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能政夕介(nose yuusuke)
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