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【ドラマ火23時】『リビングの松永さん』第三話 シェアハウスメンバーの静かな優しさ

新しいシェアハウスのメンバー凌を迎え、歓迎会を開催しようと考えた松永だったが、「主役になるのは苦手」と断られてしまう。しかし、どうしても歓迎会をやりたい松永は、サプライズで開催することに決める。内緒で準備を進める美己、健太郎、朝子、あかねだったが、松永は急遽場所を変更し、グランピングにすると言い出す。他のメンバーの合流を待つ間、先に二人で施設に向かい、準備を進める松永と美己。美己は、突然訪れた二人っきりの展開にソワソワが隠しきれず……。

グランピング会場で二人きりになる、という恋愛ドラマではドキドキ必至の展開となった今回だが、凌が参加できないことになり、雲行きが怪しくなる。精一杯準備したものが無駄になったことや、自分が突っ走りすぎたことを知った松永はひどく落ち込んでしまう。そんな松永をなんとか励まそうとした美己も体調を崩してしまう。あまり上手くいかない二人のもとに、シェアハウスメンバーが凌を連れてやってくる。遅くなり、本来の歓迎会とはいかなかったが、目立つのが苦手な凌にとってはむしろそっちの方がずっと嬉しいという展開に。松永や美己も無事に元気を取り戻していく。

シェアハウスのメンバーは家族ではない。生活時間も考え方も違う人たちが一斉に集まるというのはよほどに準備が必要だ。しかし、松永の急な変更にも必ずついてきて、参加しようとする。それは義務的なものでも、苦労でもない。かといって、全員がウキウキワクワクして、その日を待ち焦がれるわけでもない。ただ、参加することが当たり前だから、というかのように集まってくるシェアハウスメンバーには、静かな絆が見える。
すっかり落ち込んでしまった松永を励まそうとする美己だったが、その気持ちは他のシェアハウスメンバーもみんな一緒だった。遅くなってから現れたメンバーの姿には、優しさが滲んでいるようだった。

少しばかり冷静さを欠いたような、松永の行動には、新しい人への熱い思いが感じられる。それは自分がそうやって受け入れてもらったからなのか。それとも、誰かに受け入れてもらうことをずっと願っているから、誰かを受け入れてあげたいと思うのか。松永の過去や、その心の内も少しずつ見えてくるようになった。そんな中、登場人物のすべての行動が優しさでできているような回だった。松永が抱えたことや今後の美己に起こる出来事のすべてを優しく温かく包み込むような、今後の展開に注目したい。

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