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ダンサー•in the お盆

今年の盆踊りはすごい。
高円寺ではaikoのカブトムシが、池袋ではワルキューレのいけないボーダーライン(アニソン)が流れており、それを盆踊りとして人々は踊っているらしい。
全てTwitter(X)で見た情報だが、いろんな世代の人が楽しそうにしていて、すごくいいなと思った。
亡くなっている我らのご先祖さまも、何百回も同じ音楽だけ聞いてると飽きちゃうから、新コンテンツや新しい音楽が流れてきた方が多分嬉しいと思う。サイリウムとか、オタ芸でもいい、おもしれー踊りを見せてあげた方が、みんな楽しいと思う。

「よ!会いにきたぜ!」と冥界からひょっこり顔を出してくれるなら、色々なものが明るく、楽しく、そして今っぽい方がいいに決まってる。年に一度の観光だろうし、バイブスぶち上げで満喫していってほしい。

昔はナスやきゅうりに割り箸を刺したものを、馬や牛に見立てて仏壇に飾った記憶があるが、
あれも新幹線とか、LOOPとか、なんか今っぽい乗り物に変えてみてもいいかもしれない。
2023年の日本を、様々な角度からご先祖さまにも見てもらいたい。

「盆踊りは、死者と一緒に踊れる唯一のダンス」という話を聞いた。
それから、盆踊りがすごく素敵なものに思えてならない。一気に盆踊りが好きになった。

「生きてる人が亡き人を思い出して話すたび、天国ではその人の周りに花が咲く」という話も好きだ。

特になんの宗教も信じてないけど、素敵な考え方だなと思うから、自分の人生に採用している。

「死んだ人の思い出話をするたび、天国で花が咲く」が真実だったとして、
普段無口な人とか、人と話すと悲しくなるから死んでしまった人の話を絶対しない人とか、
そういう人たちは天国に花をなかなか咲かせられないかもしれないけど、
夏の夜に盆踊りを踊ったのなら、先に死んでしまった人達と一緒に、ちょうちんや電球で華やかに彩られたお祭りの景色を楽しむことができる。花粉アレルギーの先祖にも優しい。
この世に色々な救いがあることに、私は安心する。

シャイで控えめと言われる我々日本人が、唯一踊り続けてきた「盆踊り」。偉い人も庶民もみんな横一列、天国の人もこの世の人もみんな横一列。そのままぐるっと輪になって踊るという謎の儀式。
こんなに身近なのに、よく考えたらかなり奇祭じゃない?

私はダンスというダンスを踊れないし、沖縄旅行で習ったはずのカチャーシーも全然うまく踊れなかった、体育万年2の運動音痴なんだけど、盆踊りだけはちょっと参加してみたい。

死んだじいちゃんに会いたいし、一緒にお酒も飲んで踊ってみたい。例え私が訳のわからない舞を披露しても「いーで、楽しいのが1番だぁ」と、微笑んでくれる人違いない。

天国に会いたい人がいるならば、私達はお盆に踊るべきだ。

一億総ダンサー時代。
ネットがなくても、どこぞの教祖にお金を払って降臨させていただかなくとも、
自分の心が望むなら、私達は会いたい人に会える必ず会える。

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寿マーガリン
犬飼いたい

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