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牛飼いの僕と飲食店の僕

牛飼いの時はひたすら生産歩留まり(生産出来るモノに対して実際に生産する量)を高める事だけを考えて牛達の周りの環境を良くする事にお金をかけ、牛達を1頭1頭しっかり管理する為の管理体制を創り、管理技術の継承をよりスムーズにする為の仕組みを約10年かけて創りました。

そして去年の10月に台湾に入り、11月22日に自社牧場で生産した日本黒毛和牛のステーキレストランを開業。

当たり前ですが、飲食店はこれまでやってきた牛飼いとは全く違う脳みそを使いますし、仕組みも全然違います。

僕はやりながら考えるタイプなので、飲食店を始めてまだ半年目ですがすでに沢山の失敗を繰り返しては改善しての繰り返しです。

その日々の試行錯誤の中で今更気づいたのは飲食店経営者が1番力を入れるべきは集客。

今まで牛飼いでやってきた生産歩留まりを高める事は重要ではなく、どれだけ自分のお店の事をお客さんに知ってもらえるかが最重要なのだという事。

どんなに良い食材を扱っていても知ってもらわなければ、お店に足を運んでもらって食べて貰わなければなんの意味の無い。

その当たり前の事に今更気づきました。

もちろん飲食店のオペレーションの仕組みも作りますし、飲食店環境も少しずつ良くしていきますし、管理体制も良くしていきますが、それも全てお客さんが来てくれなければ動かないという事の重要性に今更気づきました。

牛飼いの時には無かった考え方です。

牛飼いは良い牛をしっかり育てれば市場に出荷するだけで確実に売れますから。

売る事の大変さを今更ながら知りました。

「SNSを使う」といってもこれまで僕が作ってきたSNSで繋がっている人達はほとんど牛飼いさん。しかも日本人。台湾では通用しない。

なので台湾の販促を教えてもらい、とりあえずそれでお客さんの反応を見ているところです。

飲食店は難しいと良く聞きますが、常に実感しております。

正直僕は牛飼いより難しいと思います。

僕は牛が大好きで育てるのも食べるのも好きです。

その好きな事をずーっと死ぬまで続ける環境を作る為に台湾に来ました。

自分1人で牛飼いをずーっと死ぬまで続けるだけなら台湾に来る必要なんて無いです。

日本黒毛和牛業界が僕が死ぬまでずーっと成長し続ける為には台湾の市場が必要なのです。

牛飼い自身が牛を売るという新しい動きや考え方が必要なのです。

なので僕は自分の身を削ってバカになる。

牛飼いだけ1人でやっていたらどんなに幸せかと日々思います。

でもそれでは日本黒毛和牛業界が良くならない。

誰かが犠牲にならなければ。

日本黒毛和牛業界の今後の発展を夢見てこれからも頑張ります。

今日も最後まで読んで下さりありがとうございました。

ではまた!

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