【介護エッセイ】再会

しょうがないよなぁ。
奥さん、選択肢を考える余裕すらなかったんだなぁ。

その方のデイサービスの利用は、今日をもって終了した。

肩の力が抜けると言うか、希望を見据えて動いていただけに大きな無力感を感ざるを得ない。

介護施設で接している時間なんて一瞬だ。

ぼくがデイサービスで介護している時間なんて海面に浮かぶ小島みたいなもんで。その水面下、深海に広がるとてつもなく大きな在宅介護という実態。
どっちが表で、どっちが裏で、どちらも当事者にしか見えていない世界があるのだ。

正しい・正しくない。いい・悪い。議論することなんて無意味で。必要なことは、手を取り合ってたったひとりを支えていくことだけなのだ。