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笑顔と笑い声を届けよう

認知症高齢者の方とのコミュニケーションは、なかなか一筋縄ではいかない。

言葉による意思の疎通が思うようにいかない。場所が分からない。時間・日時わからない。やり方が分からない。ついさっきの記憶ない。さまざまなことが伝わらない。

ただ僕は、認知機能が正常に働かないからこそ感受性が鋭く強くなっていくように感じている。介助する側の感情や環境・空気を察知する能力が、敏感になっていると感じる。
介護職員が忙しそうにしている・イライラしている・職場の環境が乱れている。そのような場面・状況の時に、認知症高齢者は不穏になり、問題行動を起こすようになる。これはあくまで経験則の話。

感情をコントロールしたり、居心地のいい環境をつくるなど、当たり前のことだが、介護の現場ではその当たり前が難しい。認知症とはそれほど予想だにしないコミュニケーションの連続なのだ。

介助者は常に笑顔を心がけること・よく笑うこと。認知症高齢者の目と耳から入ってくる情報を明るくしてあげることが、僕は大切だと思っている。
それだけで、食事介助や排泄・入浴は格段にやりやすくなると実感している。
介助者の都合で認知症高齢者をコントロールしようとするから反発が生まれる。

こないだ認知症の方と他のおじいさんふたりに、食器を布巾で拭いてもらっていた。
おじいさんは、認知症の方が同じお皿を何度も拭いているのを見かねて「その皿はもう拭かなくていいから、これ拭いてもらえる」と声をかけていた。
しかし認知症の方は、その指示がうまく理解できず同じお皿を拭き続ける。何度注意しても伝わらないのだ。
見かねたおじいさんは「何回同じこと言わせるんだ、聞いているのか」と少し声を荒げてしまった。
認知症の方は怒りの感情を受け取ってしまい、ものすごい形相で怒りを露わにしてその場を右往左往していた。

職員としては未然にそうなることを防ぐべきだが、手が離せない状況だった。感情のぶつかり合いが、大きな事故に発展してしまう。

いつも笑顔で笑い声がある、心地いい環境をつくることが大切だ。

介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。