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ぼくは間接照明のように

「何か興味あることはないの?」
「新しくはじめたいことはないの?」
「何処か行きたいところは?」
「何か食べたいものは?」

自発性を持った生活をして人生を充実させてもらおうと想い、あらゆる質問を投げかけてみるものの本人としてはさほど心が動かない様子。

外側からいくら刺激をしてもその人自身の内側から変化が起こらない限り行動は変わらないのか。過ぎるおせっかいなのか。いや、おせっかいなのだろう。

とはいえ、水戸黄門の再放送にかぶりつく毎日だ。二日後に同じ話が再放送されていても、きっとかぶりつくだろう。息子としてはほっとけないのだよ。紋所は目に入っても息子の存在は目に入らないってか。

「マッサージの勉強したいから練習相手になってくれない」
「デイサービスでレクリエーション担当するんだけど考えたゲームの実験台になってくれない」

あたかもぼくのストーリーに巻き込んだように見せかけ、主人公は母。

ぼくは間接照明のように、母を照らしている。

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介護エッセイ元お笑い芸人@のざき寿(ひさし)
介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。