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介護者のリアルな言葉

「自分が先にどうにかなりそうだった」

「主人が逝ったときは、悲しさよりも安堵感の方が強かった」

「気持ちの持って行き場がわからない」

「施設でそんなことをしているなんて、はずかしい」

「どんどん痩せていって、歩けなくなった」

「怒っても、女房はすぐに忘れるから。怒ったら自分だけ感情が残るから。そう思ったら怒るのが馬鹿馬鹿しくなった。」

「朝と晩の2時間だけ頑張ればなんとかなる」

「介護を経験していない人に、介護の相談をしたらダメ」

「子供に最後の決断を迫らないでほしい」

「お互いに離れる時間が必要だった」

「自分の人生についても考えることがいっぱいで」

・・・

これは、ある介護者の会に参加したときの介護者のリアルな言葉。

細かな経緯を語らなくても、その言葉の前後は想像できる。
それぞれの言葉は低い声もあればどこか清々しい明るい響きの声もあったり。とてもか細い声で隣にいても聞き取りにくい言葉もあれば、嗚咽混じりでぼくは下を向いて聞いていた言葉もある。

「15年介護をしていて」

「母親が入院して、父親が認知症で、私には小学生の子供がいて」

「ぼくは母と同居していて」

いろんな家庭環境があり、集まった介護者はそれぞれ事情が異なる。

「話できるだけで、だいぶ気持ちが楽になった」

「この会のことを知って、ここだと思ってきてみました」

かなり追い込まれた状況で、そうなるまでひとりで戦ったいたことがよくわかる。

ぼくは母親の介護を見越して介護職を始めた。

こうしてリアルな話を聞くことが、ぼくにとってものすごく価値があることで、今できる最大限の準備だと思う。

自分には降りかかってこないだろうと、希望的観測のまま生活が続く確証なんてないわけだから、準備しておいた方がいい。聞いておいた方がいい。見ておいた方がいい。

育ててもらったのに、面倒は見ない。そういうわけにはいかないだろう。

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