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介護で大変なこと
介護で大変なことってなんだと思いますか?
排泄の対応とか、買い物支援・生活支援とか、入浴介助とか。
一般的なイメージはそうかもしれません。
ぼくはデイサービスで働いています。いちばん大変に感じるのは、それらいずれでもなく認知症対応です。
介護イコール認知症対応と言っても過言ではないかもしれません。
たとえばデイサービスに来ている利用者さんが10人いたとして、認知症の方は10人中6,7人。軽度・重度と症状には違いがありますが。
そして介護職員が皆、認知症対応ができるかといわれれば、決してそうではないです。
資格を持っていても介護職としてキャリアがあったとしても、得意不得意があります。できない人はできません。知識や技術を学んだからといって、いい対応ができるとも限りません。
できない人とはどういう人か。簡単です。思い通りにいかないことがあると怒る人です。相手のせいにしてしまう人です。これはくれぐれも介護職員としてという意味です。家族介護はまた違った視点で語る必要があります。
では認知症対応ができるって、どういうことなのか。
マズローの欲求5段階説から考えてみますと、
生理的欲求
安全の欲求
社会的欲求
承認欲求
自己実現の欲求
生理的欲求と安全の欲求をサポートできることは大前提でしょう。つまり排泄や入浴の介助、食事や着替えなどの日常生活のサポートです。
社会的欲求や承認欲求をサポートするには、利用者さんの生活歴を深く知ることが重要です。身体状況や生活状況に合わせた「生きがいの提案」ができるかどうかです。
自己実現欲求は、自発性を引き出すことです。ストレングスポイント(強み)を踏まえ、エンパワメント(力を引き出す)できるかどうかです。
認知機能が徐々に低下していく中で、社会的な欲求より高次な欲求を実現するのは、いくら認知症対応が得意な介護職員といえども実現できることとできないことがあります。
介護職をしているぼくでさえそう感じているのです。
「急に介護が始まって、わたしの人生は一変してしまった」なんてよく耳にしますが、
はたして、介護のにまったく触れてこなかった人が、
母親・父親が認知症になってしまったときに、急に対応できるでしょうか。
おそらく排泄や食事のことでさえ、感情を抑えることが難しいでしょう。
認知症は想像の上を遥かに越えてきます。「嘘でしょ!」「マジなん?」の連続です。もう笑っちゃうぐらいに。
「介護施設に行ってもらおう」と簡単に考える人もいるかもしれませんが、たとえばデイサービスは9時から17前後までとサービス提供時間が限られています。それ以外の時間は在宅で介護する必要があるわけです。
介護が始まったら、介護から離れることはできません。
これは脅しでのなんでもなく、リアルです。リアルガチです。
そこで、大切になってくるのは何か。
理解です。ものごとを知ること。心構えをしておくこと。
方法や手段、選択肢を持っておくことです。
ぼくは1年間にかけて、介護のことを書いてきました。書いてきたほとんどに、認知症高齢者のエピソードと向き合った感情と思考が綴ってあります。
そして、これからも書き続けていこうと思っています。
ぼくも母親と一緒に暮らしているので、介護者予備軍です。介護者には介護の他にも介護離職や人生の問題が別にのしかかってきます。
悲しんでいる場合ではなく、むしろ楽しむためにどうするかを考えていきたいとぼくは考えています。
介護のおもろいを見つけるために、日々noteを書いています。
笑いがあるだけで、心が軽くなって救われますからね〜。
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