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正解はトイレットペーパー

デイサービス。

利用者さんがトイレに入って行った。

トイレに入っていったときと、
トイレから出てきたとき。

いったいどこが違うでしょうか。

そんなクイズだとして。

膀胱の中の尿が排出されたので人間として体積が減った。というのは不正解。
その方が使っている四点歩行器に掛けられたJ型フックにぶら下がっている手下げ袋。その手下げ袋がトイレから出てきた時はパンパンになっている。これがおそらく正解だ。

その方が洗面台で手を洗っている隙に、ぼくはトイレを確認しにいく。

ない。
やはりない。

トイレの隅にトーテムポールのように置いてあったトイレットペーパーが、上から数個なくなっている。なぜ無くなってるとわかるのかといえば、ぼくは事前に数を確認していたからだ。

その方は、トイレに入って5分で出てきた。
仮に排便だとして高齢者で排便5分は早すぎる。5分で済ませたなら、頭少し出ていないと便採算が合わない。それに5個積んであったペーパーが3個になっている。高速ハムスターのようにぐるぐるとペーパーを回しても2個も使えない。

つまりあの手下げ袋の中にトイレットペーパーが入っているのは明らか。2個。ゆえにパンパンなのだ。トイレ刑事の「三角折り(松田優作がジーパン刑事なら)」とはぼくのことだ。

さて、問題はここからだ。

どうやって、現行として確保するかだ。別に持って帰ってもらってもいい。追跡用のGPSを仕込んでいるわけではないけど、積んでおいたこちらの過失でもある。なんならその方は介護スタッフにおける環境整備不足の被害者だ。

鼻歌混じりで手を洗っている。よほどスッキリしたとみえる。

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