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末期がん。余命宣告された男性利用者さん。

最後、亡くなる前日までデイサービスに通っていた。自宅にいても退屈だし風呂に入りたかったらしい。

ぼくがお会いしてからの1年間。
入退院を3回ほど繰り返して、出会った当初は一緒に散歩していたのだけど、だんだんと体重は落ちていき足は細くなっていき、耳も聞こえなくなってきて食事の量も日に日に減って行った。
最後のひと月は自力で立ち上がることさえ難しくなって、デイサービスに来てもほとんど横になって過ごしていた。

そんなボロボロの状態でも、弱音を吐いてるところを聞いたことがない。
「もう、俺なんかよ、いつ死んでもええんだわ」まったく悲壮感はなくいつも笑い飛ばしていた。本当に強い人だなぁと思っていて。たしか抗がん剤も使用していなかった。余命宣告の不安や焦燥、がんの痛みやなんかあったろうに。

かたや同じように末期がんの女性。
抗がん剤を服用し痛み止めの麻薬を使用していた。その方も亡くなる直前までデイサービスに来ていたが、理由はご家族が仕事で自宅を空けてしまうので、デイサービスを利用していたという経緯だ。
デイサービスに来て、痛みを訴えることや体調の変化によって精神が不安定になって叫ぶこともあった。
ただ、これが普通だろうし、デイサービスに来ていること自体すごく大変なこと。亡くなる直前はほぼ昏睡状態になって、最後の数週間は病院で過ごした。

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