ぼくのにせものをつくるには
てんちょーは[ヨシタケシンスケ]さんが好きである。
ことばやさんのアイディアに煮詰まったときは彼の絵本やエッセイをペラペラとめくると閃きがやってくる。
ワクワクに溢れた彼の絵本を借りて今回もこどもたちと楽しい時間を作ります。
今日の絵本は[ぼくのニセモノをつくるには]
宿題をやりたくないしお手伝いもしたくない、そんなのび太のような僕はおこずかいをはたいてニセモノを買った。
でもこの時点でニセモノはただの器でしかない。そこで僕は僕のようになるために僕のいろんなことを教えて行く。
まずは簡単なところから。
好きなこととか家族のこととか学校での様子とか。
次はちょっと見方を変えて、僕のいない場所でも僕という存在が現れることとか。
例えばストローをかじった形跡を見てそれを飲んでいた人がぼくだと分かられてしまうとか、変なデザインのトレーナーの落し物が届けられて名前も書いていないのに落とし主が僕だと分かられてしまうとか。
もっと機械的に考えると僕は何かの製造マシーンであるとか。
食べて排出するから[うんち製造マシーン]とか(例によってこの手の話はこどもたちの大好物(笑))すぐに靴下に穴を開けてしまうから[靴下穴あけマシーン]とか
他人から見た僕はどんなだろうとか。
例えばおばあちゃんから見たら可愛い孫で、お医者さんから見たら注射を嫌がる患者さんで、犬から見たら餌をくれる人、とか。
こんな感じでこの絵本は自分をいろんな方向から見つめて行くのです。
さぁ、ではこれを聞いていた子供達はどんな感じかというと…
絵本を読んでいる途中から自分のことを書きたくてたまらなくなって、ブーイングを受け(笑)仕方がないので途中から高速読みでめくることになりました(笑)
そんな溢れる意欲の中、鉛筆の動きを止めることなく自分を客観的に見てたくさん書き込んでくれました。
これをもし絵本を使わず[自己紹介]として授業を進めていたとしたらこんなにたくさんの表現を書き込めてはいなかったと思うのです。
この材料は自己紹介として十分すぎるほどに使える素材となりました。【楽しい】と思えるだけで表現は溢れてくることを改めて体感した時間となりました。
ことばやさんでは【大人ののぞむ整った回答をしないこども】になってもらいたいと思うのです。そんな生命力溢れる時間になるよう次回も楽しいなにかを模索します。
(ヨシタケシンスケさんにお礼のお手紙書いた方がいいのか真剣に考えているてんちょーです)