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熱病まで

その 熱病まで
(リネンと白いハットで、すくいあげたから)

見回せば片付けられた木立ちにまた
影がぼやけている遊戯は弾力を持ってあると
足も遠のく意識が視線に絡まる幻想運動

市街地に押し寄せる コスモスを裏返して

慌てふためいた花壇の大輪が折れているのをみて
ふと、ショートケーキにつまらなさを受け止めて

気だるさが肌を氾濫した昼顔が 懐いている 
幾星霜のパズルピースの先程、ぬるくマミれ

モーテルのテラスを開けるといいと
名知らぬ少女にいくらか持たせ
バスタブには立派な黄葉を落としたあとの
航海薄明にも鳴らない電話が
うっ血してるあと数歩の距離にあって

外干しされた骨格から
神格化したぬるいダージリンに 
陽炎と供えておった
たとえるなら女 
五感を掴んだささやきとわたしは 
晩夏 だろうか

まいたばかりのカーテンを
妙に妙に掻っ攫うつらが、しらないことを
口をあけてほろほろと潜り込んだ
淡青の空が衰えて行く 他者の不幸だと

わたしは
はずれないように 
からだに巻き付けて
らくになるのか。

はしだした語気に平伏する
その最期のとろ火だろう波音が爆ぜたわ

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