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月と音楽が歌う夜


74spm 

こには歌が流れていた

静かな世界の静かさを歌った歌が

銃弾と怒号が響く中でも誰にでも聞こえるくらい


静かにはっきりと流れていた


私はそれを見ていた 歌が世界に流れていくのを


歌が流れている連続した瞬間を見ていた いくらでも分割できる時間を見ていた

聴くことができていたとは思わない

綺麗だった 音楽は 今僕が居る世界を すごくうまく なめらかに 滑っていく

どんな世界でも抵抗も摩擦もなく滑って流れていく

音楽が流れた世界は音楽を受け入れるしかないように見える
私はそれを見ていた。じっと。


あの人はいった 
「歌の世界に居なさんな、

お母さんはいい人だった。わかるよな。

お前のお母さんは凄くいい人だった」

67FRB

信じたものは崩れ去ってしまった。

あーこの人は嘘をついている

僕にとって この人の美化した言葉は嘘になる

僕はこの言い方で世界をおさめようとはけしてしない。できない。したくない。

音楽と歌に嘘をつくことになる

「僕は映画が好きです。なんでかと言われてもわからないけれど。
人が思いついた人生の心配より自分の人生の心配した方がいいかなとも思うんだけど」

音楽が好き?愛している?愛してるよ
月みたいな意味で?月みたいな意味で。

僕が作った計画で、脱出できるけど君は来る?


緑の目から花が溢れた。

ここから始めようと思った。

物語を描き始めます

外に出て、私が踊り始めたところから。

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久世孝臣(詩人・演出家)
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