ひらがな読み書き苦手さんを支える遊び
こんにちは。言語聴覚士の木山幸子です。
noteクリエイターサポートプログラムに選出いただき、読み書き障害児向け音声教材を開発している真っ最中ですが、開発日記のほかにも読み書き障害について知っていただくための記事を不定期にアップしていきます。
インスタもやっています
「ことばを育てる100均グッズ」というタイトルでインスタをはじめて約半年が経ちました。少しずつフォロワーさんが増えてきてありがたい限りです。
じつはこちらのインスタで、読み書き苦手さんの中でも「音韻認識」(音韻意識ともいいます)の力が弱いお子様向けの遊びを紹介しています。興味のある方はインスタを覗いてみてくださいね。
ひらがな読み書きには「しりとり」が大事!?
最初の2つの遊びは「しりとり」ができるようになるための基礎の力を身につける遊びで、私もよく年中・年長さんにやっています。なぜ「しりとり」が大事なのかーーーじつはこれが、ひらがなの読み書きの土台となる遊びだからです。
「りんご」という単語は「り」「ん」「ご」という3つの音(文字)から成り立っていますね。これが理解できるようになるのは4歳頃と言われています。では3歳以下の子どもはどうなのか。彼らは「り」「ん」「ご」という3つの音ではなく、「りんご」というひとかたまりとして理解しています。雑な言い方をすれば3歳の子に「”りんご”の最初の音はなに?」と聞いても質問の意味を理解できませんが、4歳以上の子であれば「り」と答えられる、ということです。(もちろん個人差あります)
この、単語を構成する音を分解したり、最初や最後の音がわかったりする能力のことを「音韻認識」といいます。しりとりは最後の音を取り出して次へとつなげていきますので、単語をバラバラの音に分解できないとできない遊びなんです。
しりとりは年中児の課題
自治体によっては5歳児健診やアンケートをとっているところもあるかと思いますが、そこで「しりとりができるか」という項目が必ずと言っていいほど入っています。なぜそんなことを聞くのかというと、これがひらがなの習得につながっていくからです。日本語では「あ」という音には「あ」という文字、と1文字1音対応がはっきりしています。単語をバラバラの音に分解できなければ、その文字と音をイコールで結ぶことが難しく、結果としてひらがなの習得に影響してくることになります。
音韻認識は読み書き障害の中のひとつの要因にすぎない
今紹介した音韻認識は、様々な症状がみせる読み書き障害の中の要因のひとつに過ぎません。音韻認識はしっかり育っているのに読み書きが難しいというお子さんもいますので、そこは専門家にきちんと評価をしてもらう必要があります。隣の子がやっているのと同じ方法がその子にも合うとは限らないのが読み書き障害。要因にあったトレーニングをしていかなければ意味がありませんので、なるべく早い時期に専門家につながるようにしましょう。