こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑤人気No.1の遊びは意外なアレ〜
子どもウケするアナログ遊び
前回投稿はこちらです。
「すごろく」の紹介
子ども向け言語指導を行っている当相談室で、大人気の課題。それが「すごろく」です。訓練室に入ってくるなり「今日すごろくある?」と質問されるほど。当相談室では訓練にタブレットゲームを使うこともあるのですが、それと人気を二分するほどのアナログ界人気No.1を誇るすごろくゲーム。
こう説明すると「人生ゲームや桃鉄みたいな、仕掛けの多い豪華なすごろくで遊んでいるんでしょ」と思われがちですが、いえいえ、予算の少ない小児言語聴覚士界隈で使用されるのは、インターネット上で無料ダウンロードできるような、A4用紙1枚分の作りの単純なすごろくです。リバースカードやルーレットなどのオプションさえありません。
「すごろく」「無料」で検索してもらうと、たくさん出てきます。オススメはこちらのサイト。種類が多くてお役立ち。
ダウンロードが面倒だなと思う方は、セリアのすごろくシリーズがオススメです。
さて、すごろくと言えばサイコロ。上記のセリアのすごろくの中にも入っていますが、せっかくですので遊びにプラスアルファでことばの学習も加えるために、サイコロではなく、別のモノを使ってみましょう。
すごろくの他に用意いただきたいものは「絵カード」。下の写真はダイソーの「あいうえおカード」です。文字が入っていなくてもできますが、ある方が子どもにとってはわかりやすいかも。
この2つで遊ぶ方法が「文字すごろく」。サイコロの代わりに絵カードを1枚めくって、出た単語の文字の数だけコマを進めます。単語を文字へとバラバラに分解できるか、その能力を育む遊びです。
「あれ?この遊び、どこかで聞いたことがあるぞ」と思われた方、大正解。このシリーズのひとつ前に紹介した、お風呂ポスターを使った手拍子遊びの地上版です。
意外と奥が深い「すごろく」が、なぜ子どもウケするのか
あらゆるゲームやおもちゃに溢れている現代、それらを差し置いてなぜこのすごろくが人気なのか。おそらくこの単純さがウケているのではと考えます。
カードをめくる→コマを進める→交代して相手が動く→自分の番になる。
この単純明快なルールは、年齢問わず行えますし、そもそも運頼みの遊びなので、子どもが大人に勝つことも十分可能です。「失敗」という概念もないですし、安心して遊べるというのもあるかと思います。
そして、このすごろくで学べることは、子どもたちの言語や認知、社会性の発達も促してくれます。
ルールを理解する
順番を守る
最後までやりきる・追い抜かれても諦めない
勝つこともあれば負けることもあると学ぶ
文字の読み書きを支える「音韻認識」を育てる(絵カードを使った場合)
何よりこの遊びは、ひとりでは絶対にできない遊びです。何で遊ぶかでなく、誰と遊ぶかが楽しい遊び。紙切れ1枚の遊びが、タブレットやゲームソフトに十分対抗できる楽しい時間を提供してくれますよ。