こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑭積み木遊びがオススメの理由〜
遊びの定番「積み木」が発達を支える
前回投稿はこちら。
「積み木」の紹介
子どものおもちゃの定番、積み木。長く使えるおもちゃであり、素材や色にこだわって選ぶ方も多いですね。
この積み木遊び。子どもの発達を支える様々な要素が詰まっていることはなんとなく広まっていますが、今回は年齢別にわけて紹介してみます。なお積み木はサイズも様々ですが、誤飲の事故が報告されているおもちゃでもあります。子どもの口の大きさは約4センチ。そのため未就学のお子さんが使用する場合は、口に入らないであろう4センチ以上の大きさのものをお勧めします。
0歳台は「感覚を楽しむ」
この時代はモノを認識して遊ぶというより、感覚遊びといって、五感を刺激してくれるような遊びを好みます。ラトルは音や振る感覚が楽しく、メリーは同じく音と視覚的にくるくる回る感覚が楽しいおもちゃです。まだ積み木は早いかもしれませんが、積み木2つを合わせてカチカチと鳴らす、大人が積み木を積み上げてわざと倒すなど、刺激になるような遊びが楽しめそうです。
※メーカーによっては積み木の使用を3歳以上と制限しているところもありますので、扱いには十分注意しましょう。
1歳頃からできる「見立て遊び」
1歳頃から、モノを何かに見立てて遊ぶことができるようになります。赤い積み木を「りんご」に見立てて食べるふりをする、長方形の積み木を耳にあてて「電話」に見立て、もしもしと言うなど。
この遊びの背景にあるのが「模倣の力」。以前の記事でも子どもはヒトの模倣をする能力を持って生まれるとお話ししました。言語だけでなく、パパやママの行動、仕草なども真似て、積み木で再現できるようになります。
もちろん、積み木本来の「積み上げて遊ぶ」ことも楽しめます。
2〜3歳頃からはじまる「ごっこ遊び」
上記の見立て遊びがさらに進化すると、ごっこ遊びができるようになります。何かになりきって遊ぶことで、おままごとが有名ですね。フライパンの上に材料をのせて焼いたり、お皿に盛り付けたりといった遊びです。最近は食材に似せたおもちゃがたくさん出ていますが、積み木を食べ物に見立てておままごとというのは昔は定番でした。余談ですがこの頃のごっこ遊びはまだひとり遊びであることが多いです。4歳頃になると他児と遊べるようになり、園などでお母さんごっこや幼稚園ごっこなど、役割を決めた遊びをするようになります。
積み木遊びで言えば、色や数の学習にもいいですね。2歳頃から色や数に興味が出てきます。見立て遊びも「赤い積み木」=「りんご」というふうに、色が重要な役割を果たすことも。最近はくすみ色の積み木も流行っていますが、小さいうちは原色を用いたカラフルなものの方がお勧めです。
そのほか、お片付けの練習にも積み木はちょうどいいと思います。
積み木が全年齢にオススメの理由
各年齢でいろんな遊び方があることを説明してきましたが、全年齢を通してやはり積み木は素晴らしい!と思える理由を以下にあげてみました。
想像力を育てる(見立て遊びがいい例)
手指の巧緻性や、目と手の供応の力を育てる(供応の力についてはこちらで紹介済み)
空間認識の力を育てる(空間認識についてはこちらで紹介済み)
成功や失敗から試行錯誤する経験が積める
積み木が倒れるなど、失敗からリカバリーする力を身につける(負けや失敗が許せない子どものお話はこちらで紹介済み)
おままごとや模倣の力についても、このシリーズではすでに紹介していますね。あれ?もしやこの「こどもとあそぶ。ことばであそぶ。」の話は、積み木だけやっていれば全部満たすのでは……?
そうなんです、それくらい積み木遊びは汎用性が高く、優れた遊びということなんです。