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子どもの発音の誤り:「キ」「ケ」が苦手なのは口腔機能発達不全症かも?①

こんにちは。今回は子どもの発音にのうち、苦手とする子が多いカ行の「キ」「ケ」について、私なりの考察をお伝えします。

発音の獲得には適切な時期があることを前回お話ししました。

でも、「カ行やサ行のうち、一部だけが言えていない」ということ、よくありませんか? それだと指導を受けるべきか、自然に見守るべきなのか、迷いますよね。

実際に子どもの指導をしている中で、とくにカ行の「キ」と「ケ」だけがなかなか上達せず、「チ」「チェ」になるお子さんはそこそこいます。

この原因として、近年歯科の分野で注目を浴びている口腔機能発達不全症の問題が絡んでいるのではないかと私は見ています。

口腔機能発達不全症とは?

「食べる」「話す」「その他」の機能に問題を抱えている症状のことを指します。こちらに詳しいのですが、専門的すぎるので以下に抜粋しますね。

【食べる】

・食べるのが早い、丸呑みをしている

・食べるのが遅い、いつまでも噛んでいる

・歯の噛み合わせが悪い

【話す】

・発音に誤りがある

・お口がぽかんと開いている(口呼吸をしている)

・指しゃぶりがある

【その他】

・いびきをかく

・扁桃腺が大きい、風邪をひきやすい

思い当たることが複数ある場合、口腔機能発達不全症の疑いがあります。そしてこの問題が明らかになる原因として、最もポピュラーなのが「発音の誤り」です。

なぜ発音と口腔機能発達不全症が関係しているのか

口腔機能発達不全症の特徴のひとつに「開口癖」があります。これはお口がぽかんと開いている状態のことです。

なぜ口が開いていることが問題なのかという前に、私たちの普段の口の中、とくに舌の位置をみてみましょう。通常、私たちの舌は左のイラストのように、口の天井(口蓋)にぴたりと張り付いています。

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ところが、口腔機能発達不全症のお子さんは、右のイラストのように舌がだらりと下がった状態で生活しています。口を開ければ舌は下がりますから、当然といえば当然です。

そしてこの状態で過ごしているお子さんは、舌の筋力不足になりがちです。発音は舌をいろいろ動かして行う運動ですから、筋力が足りていないと、誤った発音を習得してしまうことになります。

さらに筋力だけでなく、舌の運動全般も苦手になってしまいます。舌が不器用であるがために「食べる」ことにも影響が出てくるのです。

この不器用さが、発音の「キ」「ケ」に出やすいのではないかというのが私の見解です。過去に口腔機能発達不全症の疑いがあるお子さんは、「キ」や「ケ」、キャ行に問題がある子がほとんどでした。

口腔機能発達不全症を改善する方法

口腔機能発達不全症は、言語聴覚士が行う発音のトレーニングでもなかなか解決しません。口腔機能発達不全症には口腔機能発達不全症のためのトレーニング、MFT(マイヨ・ファンクショナル・セラピー)が有効です。

次回はトレーニング内容についてお話しします。


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